国家発展改革委員会が起草した「天然ガス利用政策」が国務院の承認を経て、8月30日から施行された。この政策は天然ガス需給ギャップの緩和、天然ガス利用の高度化、省エネ・排出削減の促進を目的としたもの。政策制定の必要性、適用範囲と管理の主体、指導思想と原則、天然ガス利用分野と優先順位、天然ガスの節約利用の促進、保障措置を主な内容とする。

　同政策は、天然ガスの利用をめぐって、国による統一計画、天然ガス生産地の合理的な需要に対する配慮、優先順位の明確化、都市ガスとしての優先利用の確保、天然ガスの科学的利用の促進、秩序ある発展、節約の優先、資源利用効率の向上を原則として堅持するとしている。

　天然ガス利用分野に関して、同政策は、都市ガス、工業用燃料、天然ガス発電、天然ガス化学工業の4種類に大別し、天然ガス利用の社会収益、環境収益、経済収益などの要素を考慮し、需要家によって異なるガス利用の特性に基づいて、天然ガス利用を、「優先」「許可」「制限」「禁止」の各種類に分類している。また、天然ガスを原料としてメタノールを生産すること、大型石炭基地所在地区に基本負荷ガス発電所を建設すること、大中型ガス田から産出する天然ガスを原料とするLNGプロジェクトを建設することをすべて禁止している。

　建設済みのガス利用プロジェクトについては、現在のガス供給を維持し、特に国の認可により建設された化学肥料プロジェクトには長期安定供給を確保するとしている。また、建設済み又は認可済みのガス利用プロジェクトで長期ガス供給契約が成立している場合は、契約通りに履行すると規定している。

　また、政策措置の実施を確保するため、同政策は、需給を平衡させる、利用計画を策定する、需要側管理を強化する、供給能力を高める、安定したガス供給を確保する、価格を合理的にコントロールする、プロジェクト管理を厳格に行うという6つの項目を打ち出している。

　「天然ガス利用政策」が有効に実施されることによって、大気環境の改善、市民生活水準の向上が促進されるだろう。また、環境配慮型社会の建設、天然ガス利用市場の健全で秩序ある発展、省エネ・排出削減目標の達成などの面でも重要な意義を有する。

(国家発展改革委員会ウェブサイト 9月3日)