第11期全人代第4回会議は30日、循環経済促進法を決議した。全人代環境資源委員会の倪岳峰副主任によると、循環経済は経済成長モデルを転換する突破口になり、省資源型、環境配慮型社会を構築する上で重要な措置になる。

　循環経済とは、生産、流通、消費過程における減量化、再利用、資源化活動の総称であり、「資源−製品−再生資源」及び「生産−消費−再循環」のモデルによって資源を有効に利用し、環境を保護するものである。

　改革開放以来、中国経済は急成長したものの、資源・環境と経済成長の矛盾が顕著になり、経済成長の代価としての資源環境の犠牲が過大になっている。倪岳峰副主任は、循環経済促進法によって、「最小の資源消費、最小の廃棄物排出、最小の環境の代価によって、最大の経済収益を獲得し、持続可能な発展を実現する」としている。

　循環経済促進法は7章、58条からなり、2009年1月1日から施行される。倪岳峰副主任によると、各条項には次のような循環経済を促進する制度が盛り込まれている。

　第1項…循環経済計画制度。循環経済計画は、国が循環経済発展目標、重点任務、保障措置に対して行なう配置であり、評価、審査、奨励、制限、禁止等の措置を実施する準拠になる。

　第2項…資源浪費及び汚染物排出総量を抑制する規制制度。各地方及び企業が国の要求に従い、現地の資源・環境のキャパシティに基づいて、産業構造や経済規模を調整し、循環経済を発展させる各種措置を取る。

　第3項…循環経済評価審査制度。各地の経済発展水準を計る尺度をGDPのみとする弊害を是正する上で役立つ。

　第4項…生産者を主とする責任延長制度。生産者の責任を生産段階、使用段階に止まらず、製品廃棄後の回収、利用段階や処理段階にまで広げる。

　第5項…監督管理制度。エネルギー多消費、水多消費企業や産業に対して重点的に監督管理を進めることで、省エネ・排出削減目標の達成を確保する。

　第6項…経済政策強化措置。専門基金、財政支援、優遇課税等のインセンティブによって、循環経済の発展を促進する。

　本法の有効な施行を保証する細則については、関係部局が今後次々と制定作業を進めることになる。

　（光明日報 8月30日）