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【石油・天然ガス】

ペトロチャイナ第3西気東輸パイプライン計画案が年明けにも発表へ 終点は福建の公算 (08/09/05)
2008/9/5
中国【石油・天然ガス】

 ペトロチャイナが進めている第3西気東輸パイプライン構想はすでにプレFS段階に進んでおり、来年早々に基本計画案が公表されることになる。

 終点は福建に

 ペトロチャイナ規画総院石油・天然ガスパイプライン工程規画研究所の楊建紅副所長は、「計画中の第3西気東輸パイプラインのルートは、新疆から東部沿海地区になる」と述べ、終点についてはなお検討中としながらも、第1西気東輸パイプラインの終点が長江デルタ、第2西気東輸パイプラインの終点が珠江デルタであることから、第3西気東輸パイプラインの終点は福建になる公算であり、福建からさらに長江デルタや珠江デルタに延伸する可能性もあるとしている。

 第3西気東輸パイプライン構想の背景

 楊建紅副所長は、第3西気東輸パイプライン構想の背景として、「現在LNG事業は、輸入規模の制約や価格高騰の影響で発展がさらに難しい状況になっている。そのため、陸上からの天然ガス輸入の重要性が改めて高まっている」と説く。一方、国務院発展研究センターの李布研究員は、今後、一次エネルギーに占める天然ガスの比率が着実に上昇し、2010年に5.3%、2020年に8〜10%になると指摘した上で、中国国内、特に沿海地区の天然ガス需要が極めて大きく、急拡大しているところから、第1、第2西気東輸パイプラインでは供給が需要に追いつかないため、ペトロチャイナは第3西気東輸パイプラインを構想しているのだとしている。一方、楊建紅副所長は、供給面から、国内の天然ガス生産量が着実に上昇し、ロシア等の国外の天然ガス供給源にも期待されているとして、これら天然ガス供給源の具体化を見越して、第4、第5西気東輸パイプライン構想までも浮上していることを明らかにした。

 ガス供給源の多様化と価格問題

 楊建紅副所長は、ガス供給源が多様化することで、長江デルタ、珠江デルタのユーザーの選択肢は増えると指摘し、特に上海は、第1西気東輸パイプライン、第2西気東輸パイプライン、東シナ海ガス、川気東送(四川省の天然ガスをパイプラインで東部沿海へ)、LNGなど複数のガス源を有することになる。

 なお、楊建紅副所長は、ガス供給源の完成時期や供給コストが異なるため、価格決定の仕組みが改めて調整される場合、供給価格にも差が出るだろうと指摘する。

 また、同氏は、第2西気東輸パイプラインは中央アジアの天然ガスが主であり、国産天然ガスは応急用、ピーク調整用となり、場合によっては、備蓄用になると指摘した。

 (中国証券報 9月5日)