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【石油・天然ガス】

第2西気東輸パイプラインは第1と連結 高まる供給の安全性 (08/09/05)
2008/9/5
中国【石油・天然ガス】

 西気東輸から上海への天然ガス供給が2011年には倍増

 中国石油西気東輸管道公司の黄沢俊総経理(社長)は4日、第2西気東輸パイプラインが2011年に完成すると、上海への天然ガス供給は20億m3になり、第1西気東輸パイプラインと合わせて上海は年間40億m3の西部天然ガスを利用できるようになると表明した。
 
 第2西気東輸パイプラインは第1パイプラインの「グレードアップバージョン」と呼ばれており、パイプラインの圧力は第1の10MPaに対して12MPa、パイプラインの口径は第1の1060mmに対して1219mmになる。また鋼管材は第1のX70よりも優れ、世界最高の強度を誇るX80が採用される。こうしたグレードアップにより、第2西気東輸パイプラインの年間輸送能力は第1パイプラインよりランクの高い300億m3になる。

 一方、第1西気東輸パイプラインも輸送拡大プロジェクトを進めており、コンプレッサーステーションの増設により、年間ガス輸送量を120億m3から、来年には170億m3に拡大する。

 西気東輸パイプラインが全体的にグレードアップすると、ガス供給の安全性も高まる。第2西気東輸パイプラインは、新疆自治区のホルコスを起点に、14の省・自治区・直轄市を経由して、南は広州、東は上海に到る。さらに8本の支線もあり、パイプラインの総延長は9,102kmに上る。第2西気東輸パイプラインは、タリム、ジュンガル、ハミ・トルファン、オルドス等の重要天然ガス源に連結するとともに、第1西気東輸パイプラインとの間でも4ヵ所の連結ポイントが設けられる。こうして連結されたネットワークによって、一部に突発事故が生じた場合でも、相互補完的にルートを変えてガス輸送を進めることが可能になる。例えば、上海の場合、現在西気東輸の受入は白鶴ステーションのみであるが、第2西気東輸パイプラインが全線開通すると、嘉定付近のステーションから天然ガスが上海に入ることになり、天然ガス供給は多重的に保障される。

 また、ガス供給源の多元化の面からも安全性は高まる。第2西気東輸パイプラインでは、トルクメニスタンなど中央アジアからの輸入天然ガスが主力になり、国内天然ガスは補充ガス源になる。しかも、パイプラインは江蘇省金壇を経由する。ここには大型地下貯蔵タンクがあり、8,000万m3のガスを貯蔵できる。パイプラインに万一突発事故が発生しても、これらの備蓄が重要な役割を担うことが出来る。上海にとっては、第1、第2西気東輸パイプラインだけでなく、操業中の東シナ海平湖ガス田や建設中のLNGプロジェクト、さらに川気東送プロジェクト(四川省の天然ガスを上海に導入)など、ガス供給源がますます豊富になりつつある。

 上海天然気管網公司の最新統計によると、上海市の天然ガス利用世帯は260万戸に達しており、さらに毎年20〜30万戸のペースで増えている。今年夏のピークには、第1西気東輸パイプラインから上海へ1日930万m3の天然ガスが輸送されていた。うち500万m3は発電に使用され、1日当たりの発電量は2,500万kWhに上る。すなわち、上海市民の1日の電力使用量のうち1kWhは西部の天然ガスによる発電なのである。

 (解放日報 9月5日)