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【石油・天然ガス】

LNGスポット価格暴騰で広東大鵬が今年のLNG輸入を3分の1削減 (08/09/05)
2008/9/6
中国【石油・天然ガス】

 LNGスポット価格が暴騰したため、広東省のLNG事業を手がける広東大鵬液化天然気有限公司は、今年のスポットLNG輸入量を3分の1近く削減する見込み。

 広東大鵬の幹部は4日、同社の9月までのスポットLNG輸入は8隻分(1隻5〜6万トン)になるが、最早輸入を継続するつもりはないと表明した。広東大鵬は当初12隻分の輸入を計画していたので、今年のスポットLNG輸入は3分の1削減されることになる。

 広東大鵬のLNG事業は、オーストラリア西北大陸棚事業との間で25年間の長期契約を結んでおり、同契約による年間天然ガス供給量は370万トンになる。

 2006年に最初のLNG船が深センに到着し、広東大鵬は同年9月から商業運営に入りユーザーへのガス供給を開始、そして2007年4月には初めてのスポットLNG輸送船が大鵬港に到着した。前出の幹部によると、今年8月末までに同社は560万トン、合計97隻分のLNGを受け入れたが、うち14隻はスポットLNGであった。

 しかし、石油価格の高騰に伴い、世界の60%を占めるアジアのスポットLNG市場は一貫して価格高騰が続いている。2003年に広東大鵬がオーストラリアと交わした長期LNG契約価格はおよそ3.5$/MMBTUであったが、同社の最近の8隻目のスポット価格は20$/MMBTUを突破したとのこと。2003年当時と比べ、スポットLNG価格は約470%上昇した計算になる。

 広東大鵬が高価なスポットLNGを購入するのは、5年前に調印された年間370万トンの長期契約による供給量では下流の需要を賄うことが出来ないからである。しかし、スポット価格はあまりにも高くなり過ぎたので、広東大鵬の顧客は最早負担することが出来ないと同社幹部は言う。

 広東大鵬のLNGユーザーは65%が発電所、35%が深セン、東莞、広州、仏山及び香港の都市ガスである。前出の幹部によると、広東大鵬のLNGを使用している発電所の多くは天然ガスと重油の二元燃料設備であり、しかもその一部は広東省のピーク調整にしか使われない。そのため、広東大鵬がスポットLNGの購入を減らしても、電力企業は重油を使用することが出来るのである。

 その上、LNGのコストがすでに重油のそれに近づいていることはより重要な点である。広東大鵬の薛波副総裁は、先頃発表したレポートの中で、国際原油価格の大幅な下落によって、LNG価格にも劇的な下落の可能性が生じるとしているが、前出の幹部は、国際石油価格がすでに1バレル105ドルに下がっているが、国内需要の拡大が続けば原油価格の大幅な下落は難しく、LNG価格が10$/MMBTUに下がると考えるのは非現実的であり、結局、下流のLNGユーザーに対する価格改革がますます切迫した課題になると指摘する。

 広東大鵬の資料によると、16$/MMBTUで試算すると、ガス価格は1m3当たり5.5元にならざるを得ない。しかし、中国の家庭用ガス価格はいずれも1m3当たり3.5元以下である。広東は3.5 元になるが、北京は2.05元、上海は2.1元に過ぎない。結局、低廉なガス価格が中国のLNGの輸入と使用に影響を与え続けることになろう。

 (第一財経日報 9月5日)