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【省エネ・環境】

広東省 生活排水により深刻な海洋汚染 (08/09/09)
2008/9/10
中国【省エネ・環境】

 広東省海洋漁業局は9月5日、「2007年広東省海洋環境品質公報」を発表した。1万km2近くの海域が汚染され、生活排水による汚染が深刻化していることが分かった。

 発表によると、広東近海の総面積の18%に当たる0.93万km2が軽度以上の汚染となっている。汚染物は無機窒素、活性燐酸塩及び石油類が中心。

 特に広州沿岸のすべての観測所で無機窒素の含有量が「海水水質基準」第4種を超えていることが分かった。第4種は最低基準であり、深刻な汚染の範疇に入る。つまり、この海域は港湾・海洋開発作業以外は不向きということである。また、東莞の全観測所でも、無機窒素、活性燐酸塩の含有量は第4種を超えている。

 深セン地区では、大鵬湾、大亜湾海域は良好な水質を保っているもののが、珠江の河口や深セン湾一帯は汚染エリアになっている。昨年、深セン河からは3,720トンの汚染物が海に排出され、深セン湾に深刻な汚染をもたらした。

 今回の公報では、汚染基準を超過した企業の実名が初めて公表された。検査を受けた25の工業汚染源のうち基準を超えたのは7社。湛江市広東湛化企業集団公司の化学的酸素要求量(COD)は2級基準の5.38倍に上っていた。その他に、潮州大唐発電所、江門嘉聯皮革工業公司など10社近くがブラックリストに挙げられた。

 工業以上に、生活排水は大きな汚染源になっている。広東省海洋漁業局の李珠江局長によると、生活排水は汚染総量の3分の2を占め、しかも深刻化が進んでいる。広東の県クラス以上の都市の多くは汚水処理施設を備えておらず、全国的に見ても遅れている。

 (羊城晩報 9月9日)