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【石油・天然ガス】

広州のタクシー 9割がLPG車でも燃油サーチャージ徴収 (08/09/10)
2008/9/10
中国【石油・天然ガス】

 広州市がタクシー1回の乗車につき1元の燃油サーチャージ徴収を開始して2年9ヶ月になる。広州市では17,000台のタクシーが運行されており、平均乗車回数で計算すると、市民が支払ったサーチャージはすでに5億元を超えている。

 しかし、3年前の時点でLPGタクシーは広州市の全タクシーの3分の1を超えており、さらにここ3年、石油とガスの価格差が拡大するにつれて、LPG車に改造するタクシーが日増しに増え、今では広州のタクシーの9割はLPG車になっている。LPGタクシーへの転換が進んだのは、ガソリンとLPGの価格差が原因である。

 この2年半で、広州市のオクタン価93ガソリンはリッター4.30元から6.25元に上昇した。一方、LPGは、2005年9月にリッター2.99元に値上げされて以来、小幅の値上げが何回か行なわれたものの、現時点で3.64元であり、ガソリンのリッター当たり2元近い値上げに対して、LPGはわずか0.65元の値上げに止まっている。
 
 LPGの値上げ幅が小さいのは、広州市政府の助成措置があるからである。助成措置はLPG供給企業の「差額による赤字」を対象に行なわれている。2006年中、LPG価格はリッター3.02元を維持していたが、3.02元とコストの差額による赤字に対して、政府から補助金が給付される形が取られている。政府のLPGに対する助成措置が始まってからすでに3年。今年8月だけでも、聯新、振戎、潔能のLPG企業3社に約1億5,709万元が給付された。これにより、今年1〜6月の3社のLPGの逆さやによる赤字が補填され、リッター3.64元という安いLPG価格が維持されているのである。

 一方、間接的にLPG助成措置の恩恵を受けているLPGタクシーが燃油サーチャージを徴収することに、市民の間で不満が広がっている。

 2005年11月に燃油サーチャージ措置が打ち出された当時、LPGタクシーはすでに全市のタクシーの6割を占めていたが、広州市の物価部門の通達には、LPGタクシーがサーチャージを徴収できるかどうかについては、明確な規定がなされておらず、以来、LPGタクシーのサーチャージ徴収は事実上、公認されている状況にある。

 業界の専門家は、問題はタクシーではなく、政府の助成措置にあると説く。政府はLPG供給企業に補助金を給付して価格の安定を図る一方、LPGタクシーは乗客から1回1元のサーチャージを取る。このような実質的な二重の助成こそ問題の根源なのである。

 (南方日報 9月10日)