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【石油・天然ガス】

上海の民生用都市ガス料金が20%近い値上げ 新たな料金システムでガスの節約推進 (08/11/11)
2008/11/14
中国【石油・天然ガス】

 11月10日から、上海市政府の承認を経て、民生用都市ガス料金が値上げされる。新料金は人工ガスが1.25元/m3、天然ガスが2.50元/m3。

 2006年9月、上海市はガス料金決定の仕組みと料金値上げ案について公聴会を開催していたが、上海市はガス料金システムの改革を進める上で、「非民生用ガスを先に値上げする」との方針を堅持し、2006年末に民生用ガス料金値上げを検討しようとしていたが、折から中国の消費者物価指数(CPI)の上昇が始まり、2007年になると、インフレ圧力はますます顕著になった。一方、今年上半期は突発事件の発生が相次ぎ、様々な要因を総合的に検討した結果、民生用ガス料金の値上げは先送りとなった。

 専門家によると、現在、中国及び上海市のCPI上昇率は月を追うごとに低下しつつある。全国の9月のCPIは前年同期比4.6%の上昇となったが、上昇率は前月に比べ0.3ポイント下がった。一方、1〜9月の累計では前年同期比7%の上昇であった。上海市の1〜9月のCPI上昇率が6.7%であったのに対し、9月の上昇率は4.8%に止まった。第4四半期もCPIの反落傾向が続く見込みである。専門家は、民生用ガス料金システムの改革にとって今が適当な時機であると見なしている。

 上海市発展改革委員会の呉振国副主任は、今回のガス料金値上げ措置には次のような3つの特徴があると述べた。

 第1に、ガス節約政策を体現している。これまで上海市のガス使用には基本量が決められており、基本量を超過すると料金は安くなるようになっていた。しかし、新料金案では、基本量を超過した部分の優遇料金が撤廃され、価格政策の上でガスの節約を奨励することになる。

 第2に、民生用ガス料金の値上げ幅は非民生用よりも小さい。2005年から2007年にかけて、非民生用ガス料金は全体的に30%値上げされたが、今回の民生用ガス料金の値上げ幅は20%以内に抑えられる。

 第3に、累進式ガス料金の適用は当面見送る。呉振国副主任の説明によると、民生用ガス料金改革案については、今回も公聴を行って、社会各方面からの意見を十分に受け入れた上で、改善を進めた。現在、累進式ガス料金については様々な意見があり、今回は実施を見送って、さらに検討を進めた上で確定する。

 (東方網 11月11日)