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中国
【石油・天然ガス】

中露融資交渉が一時中断 中国側は利率引き上げと石油採掘権を要求 (08/11/13)
2008/11/14
中国【石油・天然ガス】

 ロシアの「コメルサント」紙の報道によると、ロスネフチとトランスネフチが中国側との間で進めている中国の250億ドル対露融資、ESPO(東シベリア−太平洋)パイプライン並びにロシアの対中原油供給に関する交渉は、すでに一時中止となっている。

 トランスネフチの報道官はこの事実を認めたが、ロスネフチはコメントを避けている。

 中露双方は2週間前に同案件について大筋合意に達し、ロシア副首相セーチンは11月25日までに本合意に関連するあらゆる文書の草案を決定するとしていた。

 「コメルサント」紙によると、中露の了解覚書には金利について規定されていなかったが、双方は利率を6〜9%の水準にすることで基本的に合意していた。しかし、中国側は固定利率をロンドン銀行間出し手金利(LIBOR:London Inter-Bank Offered Rate)を基準とする変動利率に改めるよう求めている。第2の問題は担保である。ロスネフチは石油供給を担保とし、トランスネフチはパイプラインインフラ施設を担保とし、ロシア政府は国家担保を提供すると見られていた。しかし、消息筋によると、中国は目下、対中石油供給量の保証や石油採掘権など5項目の担保を求めているとのこと。

 中国側消息筋によると、中国が対露融資の利率引き上げを求めている背景には、中国政府が国内市場発展のため5,800億ドル超の投資計画を決定したため、中国側の銀行に融資ルートを確定する上での困難が生じたことがある。

 中国政府の投資計画には、2010年までの都市・農村の電力施設並びにインフラ建設への投資や、石炭の採掘、輸送等のプロジェクトが含まれているが、エネルギー事業は回避した形。「コメルサント」紙は、中国は2005年以降、石炭火力発電から天然ガス発電、原子力発電へと重点を移していたが、今回打ち出された投資計画はこれらの事業が当面凍結されることを意味しており、中国の石油需要の伸びは減速するとの見方を示している。

 (俄新網 RUSNEWS.China 11月12・13日)