1. HOME
  2. 中国 【石炭】

中国
【石炭】

中国から世界初の石炭直接液化製品を (07/09/17)
2007/11/22
中国【石炭】

中国が完全独自の知的財産権を有する世界初の石炭直接液化製品が来年誕生する。

 神華集団煤製油有限公司の張玉卓副総経理は、オルドスの神東炭田で建設が進められている世界初「石炭液化」生産ラインの工事進捗度は95%に達し、来年には試験生産を開始すると明らかにした。この石炭直接液化生産ラインが完成すると、年間345万トンの石炭を原料として、各種石油製品108万トンを生産することが可能になる。

 経済の高度成長が続き石油輸入が急増する中国は、石炭の直接液化と間接液化に大きな関心を寄せている。石炭間接液化技術は誕生から70年余り、南アフリカ共和国では大規模な実用化生産が実現しているが、直接液化技術の実用化には未だどの国も成功していない。

 張玉卓副総経理によると、神華は国外の直接液化技術を導入した上で、さらに工程の高度化、設備の大型化を進め、新世代のナノクラス触媒剤を開発した。2004年8月には100億元を投じて石炭直接液化プロジェクトに着工した。このプロジェクトは第11次5ヵ年規画の石炭化学モデルプロジェクトに指定された。

 南アフリカ共和国のSASOL社は実用化された石炭間接液化技術を有しているが、中国はこのSASOL社の技術にも興味を抱いている。神華集団と神華寧煤集団はSASOL社のFT(Fischer-Tropsch)合成による間接液化技術を採用した石炭液化工場2ヵ所を建設するよう計画している。年産量は石油製品300万トン。目下事業化可能性研究が進められている。

 また、シェルと神華寧煤集団は、石炭間接液化工場の建設について技術的並びに商業的可能性研究を共同で進めている。石油製品及び化学製品の日産量は7万バレルとなる見込みである。

 中国の様々な地方で石炭液化計画が進められているが、これに対し、中国政府は、投資が巨額に上ること、技術が成熟していないこと、環境や石油価格変動のリスクがあることを考慮して慎重な態度を取っており、2010年までに石炭液化の実用化モデルを完成してから、その後10年で産業発展の基礎を固めるとしている。

 IEAの予測によると、2030年には世界の代替エネルギーのうち、非石油系エネルギーが日産1,000万バレルに達し、その29%を石炭液化が占める。豊かな石炭埋蔵量を有する中国の石炭液化産業には明るい未来が広がっている。専門家の予測では、2020年に中国の石炭液化プロジェクトは、石油製品年産5,000万トン規模に達する。その頃には年産2,000万トンのバイオ系石油製品も使用に供されるようになり、中国の原油対外依存度は45%以下に下がると期待される。

 (新華網 9月17日)