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モンゴリア・エナジーと提携した中国の“国有企業”の正体は? (07/09/19)
2007/9/19
アジア【石炭】

 モンゴル国のモンゴリア・エナジーは、2007年8月14日に中国航天技術発展総公司と、8月21日に国家電力投資総公司と、9月10日に中国石油総公司とそれぞれ拘束力のない提携合意文書に調印したと公表し、相手側はいずれも中国の「国有企業」であるとしている。モンゴリア・エナジーの広報担当によると、相手側の中国石油総公司はCNPC(中国石油天然ガス集団の英語の略称)系を名乗っているとのこと。

 しかし、モンゴリア・エナジーの提携先「国有企業」の正体については、疑問が投げかけられている。

 国務院国有資産監督管理委員会によると、モンゴリア・エナジーと提携合意文書に調印した3公司はいずれも国有企業ではない。中国で企業名に「中国」「国家」や「総公司」を冠することの出来るのは「央企」、すなわち中央政府直轄の国有企業に限られる。国有資産監督管理委員会ウェブサイトの「央企」リストには155社しかない。

 モンゴリア・エナジーと提携した3公司は「央企」リストには入っておらず、いかなる性質の企業なのか判明していない。中国石油総公司は、名前からすれば当然ながら中国石油天然ガス集団(CNPC)系ということになるが、CNPCグループの系列にこのような公司は存在していない。業界通も中国石油総公司や国家電力投資総公司という名前など聞いたことがないと言う。中国電力投資集団公司(国電投)や中国航天科技集団公司、中国航天科工集団公司はれっきとした中央系企業であるが、中国航天技術発展総公司は正体不明である。 

 モンゴリア・エナジーは、提携相手は中国の国有企業であり、合意文書に調印する前にすべて審査を行ったと表明しているが、果たして提携相手は国有企業なのかどうか、関心を集めている。

 (中国鉱業網 9月19日)