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【エネルギー全般・政治経済】

中国のエネルギー需要は全面的に低下 危機の中にチャンスを見出せ…国家能源局長 (08/12/30)
2009/1/5
中国【エネルギー全般・政治経済】

 張国宝国家能源局長は29日、「人民日報」に掲載した『当面のエネルギー情勢 危機の中のチャンス』と題する論文の中で、中国のエネルギー需要が全面的に低下することに深刻な憂慮を示した。張局長は、「国際金融危機と国際経済情勢が中国経済に及ぼすマイナス影響は十分現れている」と言う。

 同論文の中のデータが示す中国のエネルギー需要の低下は際立っている。例えば、10月期の電力使用量は前年同期比3.7%減になった。単月電力使用量が前年同月比でマイナスになったのは1999年以降初めてである。さらに11月の単月電力使用量の低下幅は8.6%に達した。

 エネルギー需要の低下は価格の全面的下落という連鎖反応をもたらす。しかもこうした低下傾向は加速しつつある。エネルギー問題に詳しい中国能源網の韓暁平首席情報官は、発電用石炭価格商談会の物別れはエネルギー需要全面低下の縮図であると指摘する。

 しかし、その反面、金融危機はエネルギー需給ギャップの大幅な緩和をもたらすと張国宝局長は言う。今回の危機はエネルギー業界が一息付いて、深層レベルでの矛盾を解決する上で重要なチャンスでもあり、危機の中からチャンスを見出すのである。

 張国宝局長によると、エネルギー体制改革の深化もこうしたチャンスの1つである。「経済成長の鈍化、原材料価格の下落により、物価上昇圧力は著しく減退し、インフレ圧力は緩和した。こうした状況によってエネルギー価格決定メカニズムの合理化を進める余地も出て来た」と張国宝局長は言う。

 また、当面の危機は、中国が内需を拡大し、エネルギーインフラの建設を強化し、エネルギー構造の調整を加速し、海外のエネルギー資源の利用を広げるチャンスにもなる。例えば、エネルギー戦略備蓄の強化、第2期石油備蓄基地建設や企業備蓄の推進が可能になると張局長は言う。

 (北京晨報 12月30日)