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中国
【石炭】

中国 2008年の石炭輸出量が14.6%減 今年もさらに減少続く (09/01/16)
2009/1/21
中国【石炭】

 中国海関総署の貿易統計によると、2008年の中国の石炭輸出は4,543万トン、前年比14.6%の減少となった。特に12月の輸出は447万トンで、前年同期比22%もの減少。しかし、輸出額では2007年の33億ドルから58.9%増の52.4億ドルに跳ね上がった。石炭平均輸出価格は2007年のトン当たり62ドルから2008年には115.3ドルになり、86%もの上昇を示した。

 政府は2008年上半期に第1期石炭輸出枠3,180万トンを割り当てていたが、第2期輸出枠は、国内石炭市場の需給がバランスを失ったため、量が削減された上に発給時期も遅れた。11月初めにようやく発給された輸出枠は1,590万トンに過ぎず、2008年の通年の輸出枠は4,770万トンになった。但し、第2期輸出枠の発給からたった2ヶ月で輸出枠を全て消化することは困難であり、2008年の実際の輸出量は輸出枠の95%に止まった。

 業界筋は今年の石炭輸出量の減少幅は昨年よりも大きなものになると見ている。その理由は、第1に政府が石炭輸出に対して緊縮策を採っており、石炭輸出枠が年々削減されているからである。2009年も輸出枠は横ばいかもしくは引き続き削減される見通しである。第2に、金融危機の影響で世界のエネルギー需要が萎縮している。浙商証券のアナリストによると、たとえ中国企業が価格を引き下げて輸出を拡大しようとしても、国際石炭価格のさらなる下落を招き、かえって国内石炭価格に圧力をもたらすことになる。世界的な不景気で石炭需要が萎縮している中では、たとえ政府が輸出枠の制限を撤廃したとしても、今後の国内生産能力過剰問題を輸出によって解決することは出来ない。

 もっとも、中国煤炭工業協会の統計によると2008年の中国の石炭生産量は27.16億トンに上っており、中国の石炭総需要量に対する輸出の割合は2%足らずでしかない。輸出入が中国の石炭需給構造に大きな影響を及ぼすことはあるまい。

 (中国煤炭新聞網 1月16日)