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中国
【石油・天然ガス】

中国 価格下落にも関わらず石油輸入が伸びない原因は備蓄能力の遅れ (09/03/06)
2009/3/9
中国【石油・天然ガス】

 広州海関総合統計処分析科の鍾雁明科長は、2008年の月別原油輸入量を分析した上で、国際石油価格が下落しているにも関わらず、中国が石油の大量輸入が出来ないのは、備蓄能力の劣っていることなどが原因であると指摘した。

 2007年以降、国際原油価格は急騰、2008年7月11日には1バレル147.27ドルの過去最高値に達し、2008年通年の中国の原油平均輸入価格は前年に比べ47.7%高い723ドル/トンに達した。しかし、8月から下落が始まり、12月末には386ドル/トンになった。

 一方、石油価格の高かった2008年5月の原油純輸入は1,605万トンであったのが、価格の下がった11、12月期の純輸入量はわずか1,300万トン余りになった。低価格にも関わらず、国内石油化学企業の大量の原油輸入が生じていないのは、企業の様子見と中国の備蓄能力が低いことが原因であると、鍾雁明氏は指摘する。

 また、2008年の石油製品の月別輸入量を見ると、原油と同様の傾向が見られる。石油製品の輸入が最も多かったのは5月と7月であり、5月は470万トンに達した。8〜11月に石油製品価格は大幅に下落したが、輸入量は伸びないどころか低下を来たし、11月の輸入量は200万足らずに止まった。鍾雁明氏の分析によると、これは、2008年前半の輸入が比較的多かったこと、石油製品消費が鈍化したこと、国内の石油製品の備蓄能力が低いことが原因である。

 中国の石油備蓄能力の建設は遅れを取っており、米国の石油備蓄が150日分、日本が200日分であるのに対し、中国はわずか7日分しかない。エネルギーの戦略備蓄と商業備蓄体制を確立することは、エネルギーセキュリティを確保するための必要な手段であると鍾雁明氏は言う。

 (新華網 3月6日)