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中国
【石油・天然ガス】

甘粛省が西部石油備蓄基地に (09/03/09)
2009/3/10
中国【石油・天然ガス】

 国際石油価格が1バレル40ドルに下落している中、中国の国家戦略石油備蓄基地建設が加速されている。

 甘粛省酒泉市共産党委員会書記・李建華は、甘粛省の河西回廊に国家戦略石油備蓄基地が建設されるとの見通しを明らかにした。現在立地作業は実証段階に進んでおり、玉門市と武威市が候補に挙がっているとのこと。

 一方、中国石油天然ガス集団(CNPC)は、甘粛省蘭州市で180万m3の商業原油備蓄基地を建設している。蘭州、玉門の既存の石油処理能力も合わせて、甘粛省は今後中国西部の石油備蓄生産基地になるだろう。

 李建華は、金融危機の今は中国にとって石油備蓄確立の好機であり、国家石油備蓄基地の第1期は主に沿海部に配置されたが、第2期は内陸に建設することを検討すべきであると指摘した。

 李建華によると、甘粛省は、政治的な安定、温順な民族性、ロケーションなど、備蓄基地選定の可能性は大きい。また、カザフスタンとは石油パイプラインで繋がっている。河西回廊に備蓄基地を建設して10日分乃至は半月分の備蓄を維持すれば、甘粛省は中国にとって石油供給の緩衝地帯になることが出来る。例えば、ロシアがウクライナへの天然ガス輸送を中断したのと同じような事件が発生したとしても、甘粛の石油備蓄によって内地への原油供給を維持し、政府に紛争処理の余地と時間を与えることが出来る。

 先日開かれた国家エネルギー工作会議によると、今年中国は黄島、錦州など8ヶ所の石油備蓄基地建設に着手し、第2期備蓄基地の建設も加速される。第2期備蓄基地は容量1.70億バレルに上り、立地作業はすでに完了しているが、未だ公表されていない。「西部大開発第11次5ヵ年規画」によると、第11次5ヵ年規画期に備蓄基地が甘粛に建設されることになる。

 (甘州オンライン 3月9日)