中国海関総署が10日発表した統計によると、今年3月期の中国輸出入総額は1,620.2億ドルになり、前年同月比20.9%減少した。うち輸出は902.9億ドル、前年同月比17.1%減、輸入は717.3億ドル、25.1%減。3月の貿易黒字は185.6億ドル、前年同月比41.2%の増加となった。3月期の中国の対外貿易状況については次のような特徴が顕著である。

　(1) 輸出入は前年同月比の減少幅が著しく縮小し、前月比では大幅に増加
　　
　前年同月比で見た場合、3月期の輸出入総額の減少幅は20.9%、輸出の減少幅は17.1%、輸入の減少幅は25.1%であったが、今年1〜2月の前年同月比の減少幅に比べると、輸出入総額では6.3ポイント、輸出では4ポイント、輸入では9.1ポイント下がった。
また、平均営業日の比較可能基準に基づき計算した場合、3月期の輸出入総額は前月比23.8%もの大幅増になり、うち輸出は32.8%増、輸入は14%増になる。

　こうしたデータから、3月期の中国の貿易状況には、顕著な好転の兆しがある。

　(2) 労働集約型製品の輸出が前年同月比、前月比のいずれも増加
　
　中国が比較的強い競争力を有する労働集約型製品の輸出が好転している。前年同月比で見た場合、衣類の輸出は74.3億ドル、9.9%増、家具22.3億ドル、1.3%増、靴類20.8億ドル、7.7%増、カバン類9.8億ドル、11.7%増。前月比で見た場合、衣類の輸出は72.5%増、家具は78.1%増、靴類は42.6%増、カバン類は90.7%増。

　一方、3月の機械電気製品の輸出額は537.6億ドル、前年同月比18.8%減となったが、前月比では25.6%増となった。また、食糧の輸出は28万トン、前年同月比49.8%減、前月比7.8%減、肥料は42万トン、前年同月比72%減、前月比59.5%減、鋼材は167万トン、前年同月比59.5%減、前月比2.2%増となった。

　(3) 内需拡大策の効果が現れ始め、輸入額が回復し、輸入価格が若干上昇
　　
　去年の10月、11月、12月に、中国の輸入額は前月比でそれぞれ8.7%、19.5%、16.2%と大幅に減少したが、今年1月の輸入額の前月比の减少幅は3.7%、2月は5.4%に下がり、さらに3月には14.1%の増加に転じた。3月期の初級製品の輸入額は193.7億ドル、前年同月比36.5%減であったが、前月比では21%増加し、同期の輸入総額の27%を占めた。うち、鉄鉱砂の輸入は5,208万トン、前年同月比46.2%増、前月比6.2%増、原油は1,634万トン、前年同月比5.5%減、前月比33%増、石油製品は320万トン、前年同月比2.1%増、前月比9.6%減、大豆386万トン、前年同月比66.6%増、前月比13%増、石炭572万トン、前年同月比37.4%増、前月比11.9%増。

　3月の工業製品輸入額は523.5億ドル、前年同月比19.6%減であったが、前月比では18.8%増加した。うち機械電気製品の輸入は357.8億ドル、前年同月比20.5%減、前月比13.5%増、自動車2.3万台、前年同月比42.8%減、前月比7.8%増、鋼材127万トン、前年同月比15.3%減、前月比11.2%増となった。
　全体的に見て、3月期の中国の輸入価格は、前年同月比では17.9%下落したが、前月比では2.7%上昇した。

　(4) 貿易相手先上位3位であるEU・米・日との輸出入額が前月比で大幅に増加
　　
　今年3月期のEUとの貿易総額は264.5億ドル、前年同月比では19.3%減少したが、前月比では21.2%増加し、3月の中国の輸出入総額の16.3%を占めた。うち、中国からEUへの輸出は172.1億ドル、前年同月比20.2%減、前月比27.8%増、EUからの輸入は92.4億ドル、前年同月比17.4%減、前月比10.5%増。貿易黒字は79.7億ドルで、前年同月に比べ23.3%減少した。対米貿易総額は226.5億ドル、前年同月比12.6%減、前月比25.8%増で、輸出入総額の14.5%を占めた。うち、中国から米国への輸出は164.5億ドル、前年同月比12.6%減、前月比33.3%増、米国からの輸入は62億ドル、前年同月比12.7%減、前月比9.3%増、貿易黒字は102.5億ドル、前年同月比12.5%の減少となった。対日貿易総額は175.2億ドル、前年同月比20.5%減、前月比19.1%増。うち、対日輸出は80.4億ドル、前年同月比13.6%減、前月比36.7%増、日本からの輸入は94.8億ドル、前年同月比25.5%減、前月比7.3%増、貿易赤字は14.4億ドルで、去年同月に比べ57.9%減少した。

　（中国海関総署ウェブサイト 4月10日）