1. HOME
  2. 中国 【エネルギー全般・政治経済】

中国
【エネルギー全般・政治経済】

中国 第1四半期のGDP成長率は6.1%…国家統計局 (09/04/16)
2009/4/17
中国【エネルギー全般・政治経済】

 中国国家統計局は4月16日、今年第1四半期の経済統計を発表した。
 
 第1四半期GDP 6兆5,745億元 成長率6.1%(前年同期比4.5ポイント低下)
  第一次産業 4,700億元 3.5%
  第二次産業 3兆1,968億元 5.3%
  第三次産業 2兆9,077億元 7.4%

 (工業生産)

 第1四半期の一定規模以上の工業付加価値生産額は前年同期比5.1%増、伸び率は前年同期に比べ11.3ポイント下がった。1〜2月の伸び率は3.8%、3月期は8.3%。

 国有企業及び国有持ち株企業の伸び率は0.1%、集体企業3.5%、株式企業7.7%、外国企業及び香港・マカオ・台湾投資企業−1.4%。

 重工業は4.5%、軽工業6.8%。39の業種分類の中で、伸び率がプラスになったのは33業種。マイナスは6業種。

 地区別の伸び率は、東部地区3.7%、中部地区5.2%、西部地区11.8%。

 1〜2月期の一定規模以上の企業の利益は2,191億元、前年同期比37.3%の減益になった。39業種の中で、23業種が減益になり、4業種は赤字。

 増益を維持した業種には、紡績・アパレル15.6%、家具製造業24.7%などがある。石油精製及コークス業は昨年同期の194億元の純赤字から117億元の黒字に転じた。

(固定資産投資)

 固定資産投資は急速に伸びた。第1四半期の全国固定資産投資は2兆8,129億元、前年同期比28.8%増になり、伸び率は前年同期を4.2ポイント上回った。

 うち都市固定資産投資は2兆3,562億元、伸び率は前年同期より2.7ポイント高い28.6%(3月は30.3%)、農村固定資産投資は4,567億元、伸び率は前年同期より11.1ポイント高い29.4%。

 都市固定資産投資の中で、第一次産業と第三次産業投資の伸び率が第二次産業の伸び率を上回った。各産業の投資の伸び率は、第一次産業85.0%、第二次産業26.8%、第三次産業29.1%になる。

 地区別では、中西部の投資の伸びが東部地区のそれを大きく上回った。東部地区都市の伸び率が19.8%であったのに対し、中部地区は34.3%、西部地区は46.1%になった。

 (市場)

 国内市場の販売は着実かつ比較的急速に伸びた。県及び県以下の市場販売額の伸び率は都市部を上回った。第1四半期の消費品小売総額は2兆9,398億元、前年同期比15.0%増(3月は14.7%増)、物価要因を除いた実質伸び率は15.9%になり、前年同期を3.6ポイント上回った。

 都市部の消費品小売総額は1兆9,834億元、14.1%増、県及び県以下の消費品小売総額は9,564億元、17.0%増。

 小売額が大きな伸びを示した品目には、家具類24.1%、建築及び内装材20.2%、自動車11.1%などがある。

 (消費者物価)

 消費者物価は前年同期に比べ低下した。工業品出荷価格は前期比の低下幅が縮小した。

 第1四半期の消費者物価は前年同期比0.6%の低下になった(3月は前年同期比1.2%、前月比0.3%の低下)。うち、都市部は0.9%の低下になり、農村部は横ばい。

 品目別では、食品価格は0.5%、家庭設備用品及び維持修理サービス価格は2.1%の上昇になり、衣類は2.4%、交通・通信は2.7%の低下になった。第1四半期の商品小売価格は前年同期比−0.8%(3月期は前年同期比−1.5%)。

 工業品出荷価格(PPI)は前年同期比−4.6%。前月比の低下幅は、1月期−1.4%、2月期−0.7%、3月期−0.3%と徐々に縮小した。

 原材料・燃料・動力調達価格は前年同期比−7.1%(3月期は−8.9%)。住宅販売価格は前年同期比−1.1%(3月期は前年同期比−1.3%)。

 (貿易)

 対外貿易は大幅に減少し、実行ベースの外国直接投資も减少した。第1四半期の貿易総額は4,287億ドル、前年同期比−24.9%。うち輸出は2,455億ドル、−19.7%、輸入は1,832億ドル、−30.9%。貿易黒字は623億ドル、前年同期比209億ドル増になった。第1四半期の実行ベースの外国直接投資は218億ドル、前年同期より56億ドル減少した。

(雇用)

 都市の新規雇用は减少したが、都市・農村住民の収入は引き続き増加した。1〜2月の全国都市新規雇用数は162万人で、前年同期より21万人減少した。第1四半期の都市住民1人当たり平均可処分所得は4,834元、前年同期比10.2%増、価格要因を除いた実質では11.2%増になった。農村住民1人当たり平均の現金収入は1,622元、前年同期比8.6%増、実質8.6%増。

(金融)

 3月末の広義貨幣供給量(M2)は53.1兆元、前年同期比25.5%増になったが、伸び率は前年末に比べ7.7ポイント低下した。狭義貨幣供給量(M1)は17.7兆元、17.0%増、8.0ポイントの上昇。流通中の現金(M0)は3兆3,746億元、10.9%増で、伸び率は1.8ポイント低下。金融機関の各種融資残高は34兆9,555億元、年初より4兆5,812億元増加し、前年同期に比べ3兆2,485億元増えた。各種貯蓄残高は52兆2,619億元、年初より5兆6,163億元増加し、前年同期に比べ2兆9,787億元増加した。

 (外貨準備)

 3月末の外貨準備高は1兆9,537億ドル、前年末に比べ77億ドル増加した。

 国家統計局の李暁超報道官は、第1四半期の経済状況と問題点について次のようにコメントしている。

 今年に入ってから、各地方及び各部局は、中央政府の内需拡大策や国民経済の着実かつ比較的急速な成長を維持するための包括計画を貫徹実行し、国際金融危機への対処に努めた。国民経済にはポジティブな変化が現れており、当初の予想を上回る成果を上げた。

 しかし、国民経済をめぐって、国際金融危機の影響で輸出需要が大幅に減少し、企業の収益が低下している、財政収入が減少し、雇用難が深刻化しているなど、困難な状況が続いており、経済減速の圧力は大きい。

 (国家統計局ウェブサイト 4月16日)