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【省エネ・環境】

「南水北調」 長江から北京への引き入れが5年後に先延ばし 北京の水不足深刻化で年内にも節水奨励法 (09/05/11)
2009/5/11
中国【省エネ・環境】

 「南水北調」プロジェクトによる長江から北京への水資源の引き入れが5年後に先延ばしになり、今年から2014年にかけて北京は水不足の危機に直面する。「2009年北京市節水大会」において北京市水務局の程静局長が明らかにした。

 当初の計画では「南水北調」プロジェクトによって2010年には北京に10億m3の水資源が引き入れられ、北京の水不足が一定程度緩和されるはずであった。しかし、計画は2014年に先延ばしになり、今後6年間、北京の水不足はますます深刻化する。

 北京市はその対応策として、再生水利用の拡大、他の省からの水資源引き入れや節水運動の展開などの措置を取るとともに、水道料金の値上げも行うことになる。水務局はすでに値上げ幅について試算を行っており、生活用、工業用も含めあらゆる水道料金は値上げの対象になる。値上げ案は北京市発展改革委員会が目下審査を行っており、今年の物価水準や経済情勢を勘案して値上げするか否か決定する。なお、北京市は2001年以降、4回にわたって水道料金の値上げを行っており、総合水道料金は3.10元であったのが、5.04元に上がっている。

 北京市は今年、節水奨励の立法化も進めており、来年には正式に制定される予定。なお、北京市は1987年に節水奨励関連法を制定したが、北京の発展状況にそぐわなかったため、適用されていない。北京市節水弁公室主任の劉紅氏によると、旧節水奨励法では節水活動に対して表彰を行うだけであったが、新法では賞金による節水奨励も1つの方法として検討しているとのこと。

 (新京報 5月11日)