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【石油・天然ガス】

中国国家能源局が石油・天然ガス法の起草準備に着手 (09/05/21)
2009/5/21
中国【石油・天然ガス】

 業界から長年呼び声の高かった石油・天然ガス法の起草準備作業が始まった。国家発展改革委員会はエネルギー専門家、法律家や石油企業関係者を招集して準備作業を開始したとのこと。

 1993年に中国が石油純輸入国に転じて以降、業界内から独立法規として石油・天然ガス法の制定を求める声が高まった。

 石油・天然ガス法起草の動きが表面化したのは今回で3回目になる。1995年、当時の国家計画委員会能源交通司が石油・天然ガス法草案を国務院法制局に上程した。次いで2005年、国家発展改革委員会能源局が企業や発展改革委員会能源研究所の担当者、専門家を招集して、石油・天然ガス法の大枠を打ち出した。しかし、その後音沙汰は途絶えた。

 この20年、中国のエネルギー産業には大きな変化が発生し、経済建設や国家安全保障の上でエネルギーの重要性は日増しに高まっている。昨年8月、政府は国家能源局を正式に発足させた。中国石油化工(Sinopec)経済技術研究院の某専門家は、石油・天然ガスの立法化が改めて始まった大きな理由は国家能源局の成立にあると指摘する。国家能源局は先日、Sinopecや中国石油天然ガス(CNPC)など関係機関の専門家を招集して、石油・天然ガス法の起草について協議したとのことである。国家発展改革委員会政策法規司筋も石油・天然ガス法の起草計画があることを認めたが、タイムスケジュールは未定であるとのこと。

 石油・天然ガス法の立法化は過去2回お流れになったが、今回は様相を異にすると、Sinopec経済技術研究院の専門家は言う。国家能源局という強力な牽引役がいるからであり、国家能源局が担当することになれば、起草作業も加速されるに違いない。

 しかし、上記の専門家によると、石油・天然ガス法起草作業は2005年の大枠を基礎に展開されるが、この4年間、エネルギーをめぐる市場や制度に大きな変化が生じ、修正や調整を要する部分は極めて多い。さらに、草案を完成し、意見募集を行い、国務院に上程し、全人代により決議されるという一連の手続きには最低3〜5年を要する。

 実際、2007年末にエネルギー法(意見募集版)が公布され、今年1月に国務院に上程され、目下法制弁公室の審議にかけられているが、正式成立はいつになるか未だに決まっていない。エネルギー法は基本法であり、石油・天然ガス法はエネルギー法を前提として細則を定める特殊法になる。時間的順序としてはエネルギー法が優先されることになろう。

 (第一財経日報 5月21日)