中国海洋石油(CNOOC)は28日、傘下の中海石油基地集団有限責任公司と米国のAir Products社が共同出資する中国初の液化天然ガス冷熱利用プロジェクトに着工したと発表した。この合弁事業は福建省●田市で進められており、総投資額3億元、中海石油基地集団の持ち株は51％、Air Products社は49％である。LNG受入基地から供給される冷熱を利用して空気液化分離を行い、液化酸素、液化窒素や液状不活性ガスを日産600トン余り生産するもの。

　液化天然ガスを気体の天然ガスにガス化する際に大量に放出する冷熱は、空気分離、低音粉砕、海水の淡水化、冷凍・冷蔵、ドライアイスの製造や発電などに利用することが出来る。LNGの冷熱は汚染物の排出がない環境保護型エネルギーの一種である。中国のLNG産業はスタートしたばかりであり、LNGのガス化過程から発生する冷熱エネルギーの利用は新興産業の1つとなる。

　CNOOCはこのプロジェクトをLNG冷熱総合利用のモデルプロジェクトと位置づけており、今後は冷熱発電、冷熱による古タイヤの粉砕、海水の淡水化、ドライアイス製造、冷凍及び鮮度保持物流等の事業に次々と投資して、福建液化天然ガス冷熱総合利用工業パークを建設するよう計画している。また、国内外の成熟した冷熱利用技術とノウハウを参考にしつつ、独自の知的財産権を備えるLNG冷熱技術の研究開発を進めていく。

　なお、福建LNGプロジェクト第1期の処理能力は年間260万トン。2007年末に完成する。第2期は年間500万トンに拡大し、2012年完成の予定である。

　（中国石油報 9月30日）

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