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【エネルギー全般・政治経済】

四川騰中重工「適当な時機に省エネ型ハマーを国内生産」 (09/06/10)
2009/6/10
中国【エネルギー全般・政治経済】

 GMからハマーを買収することになったとの報道から1週間、四川騰中重工はウェブサイトにおいて公式声明を発し、ハマー買収の背景と経緯を明らかにした。四川騰中重工は声明の中で、ハマー買収は同社の戦略に合致しており、適当な時機にハマーの国内生産を実現し、次世代省エネ型ハマーを開発すると表明した。以下、声明要旨。

 買収の形式と目的

 騰中重工は多数の株式を占有する投資会社を通じてハマーを買収するとともに、他の個人投資家や投資会社とともに出資する。詳細は最終協議調印後に改めて発表する。

 今回のハマー買収の目的は、騰中重工がハイエンドのSUV車製造業へ速やかに参入するためである。これは騰中重工の企業発展戦略に合致している。また、今回の買収によってハマー事業の持続的な発展が可能になる。騰中重工はハマーブランドを世界へ拡大、浸透させるため、所要の資源を提供する。ハマーは新興市場や全世界をカバーし、収益能力も高まるだろう。

 買収後の経営方針

 騰中重工は、北米における販売ネットワークや管理運営組織などハマーの経営の一体性を維持する。GMとは長期契約、駆動系統の供給契約や移行期におけるアフターサービスなどについて契約しており、ハマーH2とH3は引き続き米国で生産する。

 最終契約が調印されると、騰中重工はハマーのブランドと設計に関する権利を享有し、管理、運営組織を引き継ぐ。また、ハマー販売ネットワークも継承し、販売会社との契約も継続する。生産工場の売却は了解覚書には盛り込まれていないので、契約後もGMは米国でハマーの生産を続ける。

 騰中重工とGMは組み立てに関する長期契約について協議することになり、同契約期間中、GMは引き続きH2とH3の完成車を新生ハマーに提供する見込みである。米国におけるハマーの本部、営業組織は継続し、現有の在米管理組織が管理する。中国市場も含むハマーの世界展開に伴って、中国に生産能力を確立することも検討している。

 中国国内生産

 適当な時機に国内生産を実現する。GMと騰中重工は生産工場の立地先を検討している。四川省では成都龍泉経済技術開発区と徳陽ハイテク区が主な候補地である。

 融資についても現地政府の主導で複数の銀行と協議している。各開発区は前向きな優遇策を提示している。買収と国内工場の投資額は少なくとも40億元以上になる見通しであるが、最終的な結論は出ていない。

 アフターサービス

 ハマーの既存のオーナーは従来通りアフターサービスを受けられる。買収完了後もGMはアフターサービスの責務を負う。騰中重工は旧ハマーのオーナーに対しても新ハマーのオーナーに対しても高性能の製品と高品質のサービスを提供することを約束する。

 省エネ車の開発投資

 騰中重工はハマーの新製品を計画しており、次世代車の研究開発に投資する。騰中重工は世界的に注目されている新しい燃費基準について熟知しており、ハマーについても基準を満たせるよう準備を進めている。

 (華西都市報 6月10日)