中露両国は17日、天然ガス分野の協力に関するMOUに調印した。これは、「石油と融資の交換」に次ぐ中露エネルギー協力の重要な進展の証。中国社会科学院ロシア・ユーラシア研究所の●広程所長に話を聞いた。以下、●所長のコメント。

　MOUがこれほど早く調印されたのは予想外であり、中露天然ガス協議にとって大きな進展だ。中露エネルギー協力は第二段階へ向けて大きく踏み出した。

　今回のMOUは内容的には中露天然ガス協力の方向性を指し示しただけであり、細部については今後の両国企業の協議を待つ必要がある。しかし、天然ガス資源国のロシアと天然ガス輸入国の中国が、天然ガスという両国のエネルギー構造の相互補完について交渉を前進させた意義は大きい。

　具体的な協力内容として、両国が今後推進する可能性が最も高いのはやはり天然ガスパイプラインだ。天然ガスパイプラインは、中露エネルギー協力の象徴としてこれまでも注目を集めてきた。先頃、中国石油天然ガス集団(CNPC)の幹部は、ロシア側と天然ガスパイプラインを敷設することで基本合意に達したことを明らかにした。この天然ガスパイプラインはロシアから新疆まで敷設する。ロシア側のルートも、工費や工期についても未だ明らかにされていない。しかし、今回のMOUは戦略的な文書と見なされており、しかも両国の元首が立ち会った。双方の長期交渉の結果であることは間違いない。中露天然ガス協議は11年間膠着していたのだが、金融危機を背景についにMOU調印にこぎつけたのだ。但し、中露天然ガス協力が真の意味で開花するにはなお相当長い時間を要するだろう。

　（上海証券報 6月19日）

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