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【エネルギー全般・政治経済】

【論説】新エネルギー自動車と中国の自動車産業科学技術発展戦略 (07/10/09)
2007/11/22
中国【エネルギー全般・政治経済】

 【論説】新エネルギー自動車と中国の自動車産業科学技術発展戦略 (07/10/09)

 科技部ハイテク司副司長・張志宏

 (1) 省エネ型車と新エネルギー車の発展は国家科学技術戦略

 中国は発展途上国であり、先進国に比べより深刻な問題に直面している。中国政府は省エネ型車と新エネルギー車の開発と産業化を極めて重視している。2005年、国務院は政府報告の中でクリーン自動車の奨励を打ち出し、「第11次5ヵ年規画綱要」の中では省エネ・環境保護型自動車と新型燃料自動車の開発、使用を推奨すると唱っていた。2006年の「中長期科学技術発展計画綱要」では、低エネルギー消費型自動車、新エネルギー自動車、水素エネルギー自動車及び燃料電池車の技術を優先課題並びに最先端技術に指定している。

 2007年6月に公布された「中国気候変動対応国家方案」は、省エネ・環境保護型自動車とハイブリッド車の発展、純電動自動車の生産と消費を奨励するとした。また、中国はガス自動車、ハイブリッド車、燃料電池車や水素エネルギー車の技術や温暖化ガス削減技術の国際移転と国際協力を希望するとした。

 (2) 切迫した必要性のある省エネ型新エネルギー車の発展と持続可能な自動車産業の発展

 科技部は第9次5ヵ年計画末期に関係する他部局と合同で「クリーン自動車行動計画」を策定し、第10次5ヵ年計画期には、電動自動車の重要科学技術プロジェクトとクリーン自動車プロジェクト及び重点デモンストレーションプロジェクトをアレンジし、電動自動車技術、代替燃料技術や在来型燃料自動車の省エネ、環境保護技術への支援に力を入れた。

 その結果、中国のクリーン・エネルギー自動車の技術開発と市場での応用は大きな成果を上げ、自動車用エネルギーの多元化に向けて大きな一歩を踏み出した。ハイブリッド車と純電動自動車の様々な車種の小規模生産能力が備わり、燃料電池自動車の技術は国際先進レベルに進んでいる。電気自動車の動力電池、電動機や燃料電池エンジンなどの部品技術、電子制御技術やシステム集積技術も大きな進展を遂げた。電動自動車の重要部品の研究開発システムが基本的に形成されており、天然ガス、LPG、電子制御、単一燃料エンジンの技術はますます向上した。ガス自動車はすでに30万台が実用化されており、第11次5ヵ年規画末には100万代近くに拡大する可能性がある。代替燃料やその他の燃料も全面的に普及段階に進んでいる。「国?V」基準適合のガソリン・ディーゼル用エンジンの電子制御技術や完成車の総合技術も把握し、ディーゼル乗用車の開発とデモンストレーション走行も順調に展開されている。こうした仕事によって在来型の自動車の更なる発展に新たな活力が注がれている。

 第11次5ヵ年規画期に科学技術部は、国の省エネ・排出削減政策の下、2006年にスタートした省エネ型自動車及び新エネルギー車プロジェクトに10億元以上の支援を供与した。このプロジェクトは、市場を指針として、電動自動車や代替燃料自動車の完成車技術、動力系統技術、重要部品技術や系統集積技術の研究開発を重点的に進め、公共サービスのプラットホームを構築し、最終的に省エネ型自動車と新エネルギー車の自主研究開発システムを確立し、産業化技術の飛躍的発展と持続的発展のために強固な基盤を固めるものである。

 (3) 省エネ型自動車と新エネルギー車の研究開発によって中国自動車産業の中核競争力をアップ

 省エネ型自動車と新エネルギー車の研究開発は計画どおりに進められており、一定の段階的成果を上げている。各種自動車のサンプルや製品はすでに開発されている。性能や信頼性のテスト、新技術の改良や設計の高度化、特許権、設計、テスト走行など基礎的な作業が強化され、中国の新エネルギー車の実用化、産業化、大規模化に向けて、努力が続けられている。

 その他にも、動力蓄電池、電動エンジン、代替燃料エンジンなど部品の技術性能指標がますます向上し、特に部品の研究機関は目下ハイテク研究機関から部品供給メーカーへと発展を遂げつつある。

 (中国能源網 10月9日)