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【石油・天然ガス】

ロシア、中国向け西ルート天然ガスパイプラインの来年着工を決定 (07/10/11)
2007/11/22
中国【石油・天然ガス】

ロシアの天然ガス会社ガスプロムは8日、西シベリアから中国にガスを送るアルタイ天然ガスパイプライン(中露天然ガスパイプライン西ルート)の建設に来年着工すると決定した。この情報については、ロシア・アルタイ共和国大統領ベルドニコフが9日のプレス発表で公表し、ガスプロム副社長アナネンコフも認めた。

 同パイプラインは全長2,700km、工費は約50億ドルになる。ロシアのヤマロ・ネネツ自治管区、ハンティ・マンシ自治管区、トムスク州、ノヴォシビルスク州、アルタイ地方、アルタイ共和国を横断して中国の新疆に入り、最終的には「西気東輸」パイプラインに連携する。2011年に完成すると、ロシアから中国に年間300〜400億m3の天然ガスが供給される。

 ロシア大統領プーチンが昨年3月に訪中し、中露両国が天然ガス供給に関する覚書に調印してすでに1年半、西ルートの予定通りの着工を促すため、アルタイ共和国とガスプロムは奔走していた。このパイプラインのうち591kmがアルタイ共和国を経由する。ガスプロムはUNESCOの反対に二度と遭わないよう、自然保護区を迂回し、高原を横断するよう計画を変更した。

 一方、ガスプロムと中国石油天然ガス(CNPC)のガス価格をめぐる交渉は膠着したままである。もっとも、ロシアの「コメルサント」紙やFED PRESSテレビは10日、価格問題はアルタイパイプラインの着工に影響を与えることはないと論評した。

 ロシア第一副首相メドベージェフ(ガスプロム会長)は先日、中露天然ガス価格交渉が暗礁に乗り上げているのはCNPCが一貫して譲歩しないのが主な原因だと表明した。メドベージェフによると、CNPCは、今年7月にトルクメニスタンとの間で1,000m3当たり90ドルの価格で天然ガスを購入することで合意に達して以降、ガスプロムとの交渉において強硬な態度を取るようになった。

 ガスプロムは、ロシアの欧州向け天然ガス販売価格は1,000m3当たり230〜250ドルであるのに対し、同社の中国への提示価格は125ドルであり、これ以上の値下げは難しいとしている。

 中露間で昨年合意に達したもう1つの天然ガスパイプライン、すなわち東ルートパイプラインは、東シベリアのコビクタガス田からガスを供給し、中国東北までパイプラインを敷設する。東西2本のパイプラインが完成すると、年間680億m3の対中ガス供給が確保されることになる。

 (第一財経日報 10月11日)