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【石炭】

シェルと神華の寧夏石炭液化事業が中止 (09/09/10)
2009/9/14
中国【石炭】

 シェルと神華が、寧夏石炭液化事業のFSを暫時停止したことを明らかにした。石油価格と投資の経済性を考慮した上での決定であり、着工の目途は立っていない。

 同事業計画については、2006年にシェルと神華寧夏煤業集団が、シェルの技術による間接液化事業を行う方向で、技術面や採算面での実施可能性を共同研究することに合意していた。

 シェル中国法人と神華石炭液化化工有限公司は9月10日、MOUに調印し、先進石炭ガス化技術の開発や二酸化炭素回収技術の可能性につき共同ワーキングチームを設けることで合意したが、その調印式において、シェル中国グループのクリーン・コールを担当する石暁麗取締役は、現在の石油価格水準に基づき事業の採算性を検討したが、石炭液化事業はすぐに展開するわけには行かないと表明し、事業計画の再開については市場の状況を見て判断すると述べた。神華石炭液化化工有限公司の呉秀章副董事長(副会長)も、石炭液化事業は石油価格、石炭市場価格に大きく左右されると指摘した上で、両社が同事業を一時中止することが適当との認識で一致したと述べた。但し、呉秀章副董事長は、石炭液化事業計画再開の目途は立っていないとしたものの、国際原油価格が1バレル65〜70ドルの場合、直接液化なら収益は確保できると述べた。
 
 石暁麗取締役は、今後、神華との技術提携は石炭ガス化と石炭化学の分野で展開するとし、石炭液化については、効率と信頼性の向上に向けて長期的に進めて行きたいとした。

 (第一財経日報 9月10日)