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【石油・天然ガス】

インドのIPI天然ガスパイプライン撤退は中国にとって乗じるチャンス (07/10/11)
2007/11/22
中国【石油・天然ガス】

インドの「Business Standard」誌の報道によると、イランのエネルギー経済相は10月10日、たとえインドがIPI天然ガスパイプライン(イラン−パキスタン−インド)から撤退しても、イランとパキスタンはこのパイプライン計画を実施する決意であると表明、インドの撤退はもう1つのエネルギー消費大国である中国にとって乗じるチャンスであり、このパイプラインを中国まで延長すれば、イランにとってもIPIパイプラインの需要が不足するかどうか懸念せずにすむと指摘した。

 IPI天然ガスパイプライン構想は1994年にイランとインドが打ち出していた。イラン南部のSouth Parsガス田からパキスタンを経てインドまで総延長2,600km、工費は74億ドルに上る。

その後10年以上にわたって政治上、ビジネス上の原因により再三先延ばしとなっていた同パイプライン計画は、2ヶ月前にようやく落着したと見られていた。しかし、実際にはインド政府はなお逡巡し、先日開かれた三者会談にもインド代表は欠席した。報道は、インド政府は10年越しのパイプライン計画をすでに放棄しており、その背景には米国の圧力があったと伝えている。

 もっとも、インドはIPIパイプラインからの撤退を公式には否定している。「Business Standard」誌に対するインド石油省筋の説明によると、価格が未だに決定されていないことは重要な問題であり、インドは価格未確定のままパイプライン建設に参加する決定を下すわけにはいかないとし、「価格が確定さえすれば、速やかにパイプライン建設に着手する」と述べた。

 インド、イラン、パキスタンの3国は、イランの輸出価格については4.93ドル/mBtuで合意に達していたが、パキスタンの通過料をめぐって、印パ両国の合意は成立していない。パキスタンは7ドル/mBtuの通過料を要求しているが、インドにとっては高すぎて受け入れることはできない。

 もし中国をこのパイプライン計画に引き入れることが出来れば、需要不足の懸念がなくなり、速やかに建設することが可能になるが、しかし、現時点で中国は未だ態度を示していない。

 (緑港燃気資訊網 10月11日)