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【石炭】

発電用石炭消費が激増 二重三重の要因が石炭価格を押し上げ (07/10/11)
2007/11/22
中国【石炭】

9月に入ってから、国内のあらゆる炭種の石炭が高騰し、そのため石炭企業の株価も顕著に上昇している。依然として石炭の逼迫が続いており、石炭価格の上昇もなお続くと見られている。

 今年1〜8月の全国原料炭生産量は15億トンを突破した。前年同期に比べ1.2億トン多い。しかし、激増する石炭需要に供給が追い付いていないのが現状である。

 発展改革委員会筋によると、鉄鋼、建材など重点石炭消費産業の急成長が石炭消費の拡大を推進している。特に電力事業の石炭消費が凄まじく、電力事業の現状から見て、今年の省エネ目標の達成にもマイナス影響が出る恐れがある。国家統計局のデータによると、今年1〜8月期における全国の一定規模以上の発電所の火力発電量は前年同期よりも2,627億kWh多い1兆7,638.6億kWhとなった。つまり、今年1〜8月に発電用石炭消費は約9,300万トン(原料炭換算で1.3億トン)増えたことになる。電力以外でも、鋼材やセメントの生産量も急増している。

 旺盛な石炭消費に対して、原料炭生産の伸びは明らかに消費の伸びに追い付いていない。控え目に見ても、今年1〜8月に新たに増加した石炭消費量は2.3億トンに達するが、原料炭生産量は前年同期に比べ1.2億トン足らずの増加でしかない。

 石炭需要が拡大し供給が逼迫する中、当然ながら石炭価格の上昇が続く。業界筋によると、多くの地区で石炭価格水準は過去最高を記録し、一般炭、コークス用原料炭、無煙炭、いずれの価格も持続的な上昇傾向を示している。

 現在、政府は炭鉱の安全生産管理や小規模炭鉱の閉鎖を推進しているため、原料炭の生産量減少と供給の更なる不足を招いている。また、大型石炭生産企業と消費企業の直接売買契約がますます増えているため、一部の民営火力発電所や地方的な火力発電所、鉄鋼工場、セメント工場は買入価格の引き上げを余儀なくされ、そのため石炭価格を押し上げている。その他にも、輸送力の不足が石炭市場に及ぼす影響も依然大きい。

こうした様々な要因によって石炭価格の上昇がもたらされており、今後数年間は石炭価格の高止まりが続くだろう。加えて、石油価格は過去最高の1バレル80ドルに達しており、石炭による石油代替も今後ますます顕著になり、そのこともまた石炭価格上昇の一因になろう。

 一方、石炭産業の好景気を反映して、上場石炭企業も好成績を示している。今年に入ってから、産業全体の上げ幅は300%を超えている。中国神華、中煤炭の2大石炭企業がA株市場に復帰し、石炭株の再編、統廃合や全体の上場も加速している。A株市場には近いうちに200元以上のモンスター石炭株も現れるだろう。

 (中国能源網 10月11日)