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中国
【石油・天然ガス】

中国海洋石油が石油製品小売に参入 今後国内石油製品市場に3強鼎立体制 (07/10/13)
2007/11/22
中国【石油・天然ガス】

CNOOCによるS/S建設と民営S/S買収

長らく石油上流産業に専念していた中国海洋石油(CNOOC)が、石油・ガスの小売など下流業務に参入することになった。同社は10月8日、広東省恵州大亜湾南海石化工業パークにサービス・ステーション(S/S)を設け、営業を開始した。今年9月の時点でCNOOCは恵州で30軒のS/Sの立地選定を終え、うち20軒の土地使用許可を取得し、6軒に着工し、1軒の試験営業を開始していた。CNOOCは恵州で精製能力2,200万トンの製油所を経営しているが、新設計による全額出資のS/Sはこの製油プロジェクトの付帯事業の1つになる。

 中国4大石油メジャーのうち、CNOOCはS/Sによる小売分野への参入が最も遅く、2006年に3.88億元を投じて海星城石油有限公司傘下の20軒のS/Sを買収したのが皮切りとなった。

 CNOOCは自らS/Sを建設する一方で、300軒の民営のS/Sの買収を進めた。その主なものは広東の民営S/Sである。CNOOCは石油と天然ガスの最大の消費地である広東に乗り出し、下流の販売ルートを完備して、小売市場に足場を築こうと計画しているのである。

 その他にもCNOOCは強力な民営石油企業とも接触、下流の卸売企業へ展開して、卸売市場への拡大を図っている。これは、S/Sの新規建設や民営のS/Sの買収により上昇した時間的、資金的コストを相殺して、企業の競争力を高めんがためである。

 統廃合に直面する中小石油企業

 現在全国に合計9万軒のS/Sがあるが、うち民営のS/Sは4万軒余りに上り、中国のS/S総数の半分近くを占めている。市場競争の激化を背景に目下これらS/Sの合併や統廃合が顕著になっている。

 現在ペトロチャイナ、SINOPECには民営S/Sに供給する石油が不足しているため、身売りを準備しているS/Sもあれば、統廃合と合併によって地区の筆頭石油企業になろうとしている企業もある。これら民営S/Sへの石油供給源のほとんどは山東地方などにある中小製油所である。

 一方、国家発展改革委員会(NDRC)は目下生産能力500万トン以下の中小製油所や化学企業に対し、原油供給や精製化学の状況、建設中のプロジェクトの設計規模、進捗度等について徹底調査を進めている。CNPC、SINOPEC等の大手も含めあらゆる製油企業が調査対象となっているが、今回の調査結果に基づき、全国の中小製油所や化学企業に対する統制がより一層進むだろう。

 2006年1月に政府は「製油工業中長期発展専門計画」を打ち出し、2010年までに低効率の製油能力を約2,000万トン淘汰するとしている。しかし、時代遅れの生産能力は民営の小規模製油所に集中しており、現在中国の民営製油所の生産能力は3,000〜5,000万トンに上ると見られる。

 中国能源網CEOの韓暁平は、中小製油所の統廃合に伴い、石油源をこうした中小製油所に依存する民営S/Sも大規模な統廃合が進められるとし、現在の情勢から見て、国有石油メジャー、外資石油メジャーと一部の強大化した民営石油企業による3強鼎立の局面が生じると指摘している。

 (人民網 10月13日)