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中国
【エネルギー全般・政治経済】

中国 2009年の石炭輸入は約1.2億トン (10/01/12)
2010/1/13
中国【エネルギー全般・政治経済】

 2009年、中国は初めて石炭純輸入国に転じ、同年の石炭純輸入は1億トン近くになると予想されている。世界経済の回復に伴い、石炭資源の乏しい国々による石炭争奪戦が激化し、石炭価格の上昇がもたらされる見通しである。中国の石炭輸入情勢も楽観を許さない。

 海関総署が先日発表した統計によると、2009年の中国の石炭輸出は2,240万トンになり、2008年のほぼ半分に下がった。石炭の専門家である黄騰氏の予想では、昨年の中国の石炭輸入は約1.2億トンになり、輸出を差し引いた石炭純輸入はほぼ1億トンに達する。なお、これまで中国の石炭輸入量は3、4,000万トン、石炭輸出は輸入を上回る5、6,000万トンを維持していた。

 中国の石炭輸入が激増した主な原因には、昨年中国の石炭企業と電力企業との間で価格をめぐる大きな隔たりが生じたことがある。中国の石炭企業が値下げに応じようとせず、一方、世界全体の石炭需要が軟調になる中で、国際石炭価格と中国国内の石炭価格が逆転し、電力企業は石炭輸入に走ったのである。

 今年も中国の石炭純輸入が高水準を維持するかどうかは未知数であるが、国際エネルギー需給動向に変化が生じることは間違いないと専門家は言う。

 前出の黄騰氏によると、これまで日本、韓国、台湾等の石炭輸入は減少していたが、2010年に景気が好転すると、それら諸国は、石炭産出国が依然中国と協力を展開していることが自国の石炭輸入に影響するのではないかと懸念を抱くようになる。国際石炭企業は中国のような輸入量の大きい需要家との協力を維持して輸出量の安定性を確保するよう希望している。そのため、輸入量の少ない諸国は石炭相場を引き上げることによって中国が国産炭の利用に目を向けるように仕向ける可能性もある。

 (北京商報 1月13日)