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【エネルギー全般・政治経済】

中国 石炭不足の原因は急すぎる需要の拡大にあり (10/01/14)
2010/1/15
中国【エネルギー全般・政治経済】

 中国では目下、全国的に石炭不足が広がっている。石炭業界の権威筋は、石炭資源の統廃合は、石炭不足とは関係がないと指摘する。なぜなら、昨年の中国の石炭生産量は前年より2億トン増えて過去最高の30億トンに達しているからである。また、昨年の石炭輸入量も1億トンを突破した。石炭不足の直接の原因は需要の伸びがあまりにも急速でしかもあまりにも大きいことにある。

 中国石炭生産販売協会副事務局長の梁敦仕氏によると、昨年の中国の石炭生産は前年比12%増になり、従来よりも大きな伸びを示している。石炭資源の統廃合や中小炭鉱の閉鎖が進められたものの、石炭生産量には影響が及んでいない。発電用石炭逼迫の主因は、需要があまりにも旺盛であり、石炭の増産が需要の増加に追いついていないことにある。2009年には、セメント、銑鉄、粗鋼、鋼材など中国のエネルギー多消費工業の生産が急速に回復し、大きな増産が進んだ。そのため、直接、間接の石炭需要が大幅に増加し、特に2009年11〜12月における火力発電の需要は前年同期比40%前後もの増加になり、年産30億トンの石炭でも不足を来たす状況になった。

 石炭市場研究員の李朝林氏の見方によると、中国で全体的に石炭生産が不足しているわけではなく、天気や輸送の影響で、一部地区、一部時期において過度の供給逼迫が生じている。発電用石炭の逼迫は旧正月後には緩和されるだろう。石炭不足が最も深刻な地区には、湖北、湖南、江西、重慶などがある。これらの地区に共通するのは、鉄道による石炭輸送距離が長く、輸送力が不足していることである。また、石炭企業との価格問題のため、これまで発電所は石炭調達に前向きでなかったのが、突然到来した電力需要のため、石炭不足問題が広がることになった。

 (中華工商時報 1月14日)