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IMFがバイオ燃料開発の負の影響に懸念を表明 (07/10/19)
2007/11/22
その他地域のエネルギー

 国際通貨基金(IMF)は17日に発表した「世界経済展望」と題する報告の中で、世界的に食糧を原料とするバイオ燃料生産が拡大していることに対し、貧困国の食糧価格の上昇や世界の水・土地資源に大きな圧力をもたらすとして懸念を表明した。

 同報告によると、「グリーン」バイオ燃料の開発は、自動車の汚染排出削減に役立つだけでなく、貧困国、特に農業国に新たな収入と雇用を提供するが、しかし、1国がバイオ燃料開発と自国の農民を保護する場合、他の1国(多くは貧困国)の食料品輸入費用、インフレ圧力や経済成長のリスクに直面する可能性が高まる。また、食糧を原料とするバイオ燃料生産によって、すでに高度に開発されている水資源や土地資源に対する圧力も高まり、2015年までに世界の燃料総需要に占めるバイオ燃料の比率は5%にまで引き上げると仮定した場合、世界の耕地面積は15%拡大する必要がある。

 先進国のバイオ燃料生産が優越性を備えているかどうかについてもIMFは疑問を呈しており、2005年にブラジルが世界最大のエタノール生産国になり、EUが世界最大のバイオディーゼル生産地区となったものの、コスト面でガソリン生産コストやトウモロコシ原料のエタノール生産を下回っているのはブラジルのサトウキビを原料とするエタノール生産だけであると報告している。

 同報告は、バイオエネルギー開発促進政策が消費者物価や水資源、土地資源にどのような影響をもたらすかを十分配慮できるよう国際社会が協調を強化するよう提唱し、また、米国やEUに対し、ブラジルなど途上国からのバイオ燃料輸入障壁を引き下げるよう呼びかけている。

 (新華網 10月19日)