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中国
【石炭】

中国 向う3年間は石炭化学試験事業を実施せず (10/05/18)
2010/5/19
中国【石炭】

 発展改革委員会、工業情報化部、財政部、国土資源部、環境保護部、人民銀行等は13日、一部産業の生産能力過剰と重複建設の抑制及び産業の健全な発展と牽引に関して意見書を公布し、関係部局に対し、断固とした抑制措置を求めた。

 石炭関連について、同意見書は次のように指摘した。この数年、石炭資源産地では、経済発展のスピードを一方的に追求するあまり、生態環境、水資源や、依然試験段階に止まっている現代的石炭化学工業の技術レベルを顧みることなく、また、エネルギーの転換効率や全サイクルのエネルギー効率評価に関心を払うこともなく、無闇に石炭化学工業を拡大している。在来型石炭化学工業の重複建設は深刻な状態を呈し、生産能力の30%は過剰である。また、2009年上半期のメタノールプラントの稼働率は、輸入製品の衝撃により、わずか40%前後に止まった。石炭液化モデルプロジェクトは試験生産段階に進み、石炭由来オレフィン等のモデルプロジェクトも建設段階か建設準備段階にあるが、一部地区では現代的石炭化学工業の計画を無闇に進めている。合理的に誘導しなければ、必然的に各地に石炭化学が乱立する混乱局面を招くことになる。

 そして、同意見書は、こうした混乱局面に対して、石炭化学工業政策の方向性を次のように打ち出した。在来型石炭化学工業の無闇な発展を抑制し、向う3年間、コークス、カーバイドプロジェクトの単純拡大計画については許認可を停止する。参入条件に適合しないコークス、カーバイドプロジェクトの建設は禁止する。省エネや環境保護等の基準を総合的に運用して、参入基準を引き上げ、クリーン・プロダクションの審査を強化し、差別電力価格等の手法を運用して、老朽化した生産能力を速やかに淘汰する。コークスとカーバイドについては等価転換方式を適用して、参入条件に合わない生産能力を淘汰する。合成アンモニアやメタノールについては、「上大圧小」(大型プロジェクトの実施は小規模プロジェクトの縮小を条件とすること)、生産能力置換方式を適用して、コストの引き下げと競争力の向上を図る。既存の現代的石炭化学モデルプロジェクトは着実に展開するが、新規の現代的石炭化学工業の試験プロジェクトは向う3年間、計画を見送る。

 (中国化工網 5月18日)