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【エネルギー全般・政治経済】

大連パイプライン爆発事故 環境評価報告が1年前に警告 (10/07/20)
2010/7/20
中国【エネルギー全般・政治経済】

 7月16日に大連新港石油パイプライン爆発事故が発生して以来、汚染状況や責任の所在が焦点になっている。

 事故が発生したのは大連市大孤山新港埠頭の大連中石油国際儲運有限公司の保税石油庫。同公司の保税石油庫は、第1期、第2期で合計20基のタンクが建設される。火災は主に第1期のタンクエリア外のパイプライン網と103号タンクで発生した。103号タンクは今なお濃い煙が上がり、消火活動が続けられている。爆発によって流出した原油はが地下排水管によって黄海に入ったため、海面は厚い油で覆われ、汚染面積はすでに100km2余りに広がっている。

 爆発の原因については未だ不明であるが、注目されるのは、1年前、大連中石油国際儲運有限公司の石油タンクに関する環境影響報告が火災爆発事故の可能性について警告していたことである。

 大連安全監督局の担当者は毎日経済新聞の記者に対し、同エリアの安全と消防施設が基準にはるかに及んでいないかもしれないと表明した。

 2009年4月、関係機関は大連中石油国際儲運有限公司の保税石油タンクに対する《環境影響報告書》をまとめ、警告を発した。

 同報告書は、「火災爆発リスク評価の結果から明らかなように、石油タンクエリアの火災爆発危険指数の等級は『厳重』であり、これを『軽微』に下げるには安全措置が必要。つまり、火災爆発の危険性は比較的高い」とし、原油の貯蔵、輸送過程において流出、漏洩事故、引火による火災、爆発事故の可能性を指摘していた。また、同報告書は、原油ポンプ室は各種機械電気設備が集中し、頻繁に操作が行われ、石油・ガスの流出や発散の可能性が最も高い場所であり、通気の不良や電気設備の爆発防止要件の不備による爆発の可能性があるとしていた。

 もう1つの可能性として、保税タンクに貯蔵するサウジアラビアの原油の硫黄分が高く、原油タンクの酸化鉄と原油の中の硫黄分が長期的に作用して、硫化亜鉄を生成したことが挙げられる。硫化亜鉄は空気中にさらされると、酸化放熱反応によって、最終的に爆発を引き起こす。近年、硫化亜鉄の自己発火による爆発事故の発生率が高い。今回の事故現場の状況から見て、石油の荷卸し時に発生したパイプラインの爆発が硫化亜鉄の自己発火と関係しているかも知れない。

 石油タンクの爆発事故の確率は0.000087回/基・年。しかし、《環境影響報告書》は、大連中石油国際儲運有限公司保税石油タンクエリアは集中しており、一旦爆発が発生すると連鎖反応を引き起こし、深刻な結果をもたらすと指摘し、事故応急措置、防止措置の完備が必要としていた。

 (中国経済網 7月20日)