1. HOME
  2. 中国 【石油・天然ガス】

中国
【石油・天然ガス】

中露原油パイプラインの中国国内区間は予定通り10月末竣工 (10/09/02)
2010/9/3
中国【石油・天然ガス】

 中露原油パイプラインの中国国内区間工事の責任者である大慶油田建設集団中露原油パイプライン漠河−大慶線事業部の呂継承部長は2日、同工事が終盤に入っており、10月末には予定通り竣工すると表明した。

 呂継承氏によると、中露合意に基づき、中露原油パイプラインは11月に50万トンの送油を行い、12月には100万トンに増やす。

 ロシアのプーチン首相は8月29日、スコボロジノで催された中露原油パイプラインロシアブロック開通式に出席し、ロシアは今後、中国向けも含め年間3,000万トンの原油をアジア・太平洋地区に輸出するとともに、徐々に5,000万トンにまで増やすと表明した。プーチン首相は、送油パイプライン事業の実施はロシアの石油輸出先の多様化にとって意義が大きいと指摘した。現在、ロシアの主な石油輸出先は欧州であり、アジア・太平洋地区への輸出量は決して大きくない。

 中露の戦略協力に詳しい黒龍江省社会科学院の宋魁研究員は、中露エネルギー協力について次のように指摘する。石油・天然ガス資源分野で協力を深めることが中露両国のそれぞれの利益に合致することは明白である。石油・天然ガス産業はロシアの国民経済において重要な地位を占め、石油・天然ガス輸出を多様化することは、輸出リスクを減らし、ロシア経済の国際競争への参加と持続可能な発展を確保する上で大きな意義を有する。中国との石油・天然ガスをめぐる協力を強化することで、ロシアは欧州市場に対する過度の依存を改め、世界のエネルギーゲームにおいて発言権を高め、経済的実利を獲得することが出来る。また、東部の石油や天然ガスを中国に輸出することは、距離が短く、価格が安定しているので、コストを極力引き下げ、市場リスクを減らすことにつながる。さらに重要なことは、シベリアと極東地区とロシア欧州地区との経済格差を縮小出来ることである。特に、中国や東北アジア地域とのエネルギー協力によって、ロシア東部の石油・天然ガス開発を促進し、アジア・太平洋地区の経済の急成長に便乗することが可能になる。

 一方、国家発展改革委員会能源研究所の李●民氏によると、中露原油パイプラインによって中国の原油輸入先を増やすことは、中国の石油輸入の多元化を強力に支え、中国のエネルギーセキュリティに寄与すると言う。これまでロシアから中国への石油輸出は鉄道輸送に依存していた。パイプラインが開通すると、年間1,500万トンの原油が輸送されることになり、輸送量が大幅に拡大するだけでなく、輸送コストも大きく下がる。

 ロシアのエネルギー担当副首相セーチンは、原油輸出のみならず、中国国内における石油精製事業についても中国と討議するとし、また、中国への石炭と天然ガスの輸出も拡大すると表明している。セーチン副首相によると、ロシアは今年1,200万トンの石炭を輸出する計画であり、将来的には2,000万トン以上に増やす可能性もある。

 ロシアの石油大手も中国への参入を加速している。例えば、2007年9月、ルクオイルは中国石油天然ガス股フェン公司(PetroChina)と石油・天然ガスの採掘や精製について協力協議書に調印した。

 (新華網 9月2日)

 ●…「森」の「木」を「金」に