1. HOME
  2. 中国 【エネルギー全般・政治経済】

中国
【エネルギー全般・政治経済】

国務院が《戦略的新興産業の加速育成に関する決定》 2015年にはGDPの8%に (10/10/19)
2010/10/20
中国【エネルギー全般・政治経済】

 「2015年に戦略的新興産業の生産高がGDPに占める比率を8%前後に高め、さらに2020年には15%前後に高めるよう努力が払われる」

 《国務院・戦略的新興産業の加速育成に関する決定》(以下《決定》とする)が18日公布された。これは、中国の戦略的新興産業の発展目標、方向性や任務を初めて明確にした綱領的な文書である。

 専門家によると、《決定》の公布によって、政府の戦略的新興産業に対する支援の程度がかつてなく高まり、一連の強力な支援措置が期待される。

 《決定》は、現段階において重点とすべき省エネ・環境保護、新世代情報技術、バイオ、ハイエンド装備、新エネルギー、新材料、新エネルギー自動車の7大産業の育成と発展を明確にしている。2020年には情報技術、バイオ、ハイエンド装備は国民経済の基幹産業となり、新エネルギー、新材料、新エネルギー自動車は先導産業になる。国際的影響力を備えた大企業とイノベーションの活力に満ちた中小企業が形成されることになる。

 「今回の《決定》は国民経済における戦略的新興産業の地位を初めて明確に定義したものだ」と首都経貿大学経済研究所の陳及所長は指摘する。戦略的新興産業は中国経済発展を主導する方向性になり、第12次5ヵ年規画期及びそれ以降の中国経済発展の質を左右する。これらの産業が発展するかどうかによって、グローバル経済における中国の地位も決まる。「中国はGDP強国になるだけでなく、現代産業強国にならなければならない。ローエンドの産業連鎖から脱却するのだ」。

 7大戦略的新興産業発展の方向性と主要な任務についても、《決定》は明確に描いている。例えば、新エネルギー産業については、次世代原子力技術と先進的原子炉の研究開発を確定した。また、多元的な太陽光発電、太陽熱発電市場を開拓する。風力発電の技術と装備のレベルを高め、風力発電の大規模化を進める。

 各産業の発展の見通しについて、陳及所長は、政府は均衡の取れた発展を希望しているが、各産業の発展にはそれぞれ技術上のネックがあると指摘する。現状から見れば、新エネルギー、バイオ、新エネルギー自動車等には良好な蓄積があり、相対的に順調な発展の可能性がある。

 支援策について、《決定》は、医薬、新エネルギー、資源的製品の価格形成の仕組みの革新と課税による調整の仕組みを打ち出している。新エネルギーの割当制、新エネルギー発電全量買取保障制度、電力体制改革が実施される。

 「15%という目標から見て、中国の戦略的新興産業に対する支援はかつてなく強化される。実施細則もほどなく制定される。対象になる7大産業に恩恵が及ぶことは間違いない」と陳及所長は言う。

 (北京商報 10月19日)