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【エネルギー全般・政治経済】

第12次5ヵ年規画のロードマップが確定 (10/10/19)
2010/10/20
中国【エネルギー全般・政治経済】

 第17期中央委員会第5回全体会議(五中全会)が閉幕した。同会議は今後5年間における経済社会発展の主要目標を打ち出し、《中共中央・国民経済社会発展第12次5ヵ年規画に関する建議》を可決、第12次5ヵ年規画の策定において、科学的発展を主題とし経済成長方式の転換加速を主軸とすべきと提唱した。中国の今後5年間の経済、社会並びに民主・民生等の発展のロードマップが決定されることになる。

 安定成長と構造調整が主要目標に

 五中全会は今後5年間の経済社会発展の主要目標を打ち出した。経済の安定的かつ比較的急速な発展、経済構造の調整、都市・農村住民の全面的な増収、社会建設の強化、改革開放の深化、経済成長方式の転換、総合国力、競争力、リスク抵抗力の向上、市民の物質、文化生活の改善、小康社会の完成のための基盤の強化などである。

 専門家の多くは、第12次5ヵ年規画期に政府はGDP成長目標を強調せず、構造調整をより一層重視すると見ている。実際、今後10年間、中国の年平均GDP成長率が5.6%であっても、2020年のGDPを2000年の4倍にするという長期経済目標は達成できるのである。

 しかし、各項目の序列から見て、長期の体制的、構造的矛盾を解決する場合も、現在の経済運営において突出した問題に絞って解決する場合も、経済の安定的かつ比較的急速な発展の下で進めることが必要であると考える専門家もいる。そのため、第12次5ヵ年規画期も一定の経済成長率を維持することになる。

 経済成長の目標に比べると、構造調整は比較的実現が容易である。一連の政策的インセンティブの下で、構造調整が強化されるが、自主イノベーション能力が弱い、産業の集中度が低い、地域経済の発展がバランスを欠いているといった点は普遍的な現状である。専門家の指摘によると、「構造調整の戦略的な進展を遂げる」ことを望む限り、第12次5ヵ年規画期に政府は必然的に戦略的新興産業の発展を強化して波及作用を発揮させることになる。また、重点産業の調整や振興によって産業構造の高度化を推進し、中小企業の発展環境を改善して投資構造を改善し、地域の振興を引き続き推進して地域の協調的な発展を促進することになる。

 内需拡大が依然最重要課題

 五中全会は内需拡大戦略の継続、安定的かつ比較的急速な経済発展の維持、マクロ調整の強化と改善、消費拡大の長期有効メカニズムの確立、投資構造の調整と高度化、そして消費、投資、輸出が協調して経済成長を牽引する新たな局面の形成を打ち出した。

 専門家によると、内需拡大は中国の経済社会発展の長期戦略方針であり、国際金融危機への対応過程においても極めて重要な役割を発揮した。内需、特に消費需要の経済成長に対する牽引作用を発揮させることは、経済成長方式の転換をも促す。

 近年、中国政府は内需拡大に力を入れているが、構造調整が緩慢なため、わずかな効果しか上がっていない。今回の金融危機によって、内需を基盤に経済成長を確立することで、外部からの衝撃に抵抗出来るとともに、海外市場への依存度を引き下げられることが認識されるようになった。

 収入分配をめぐる改革を打開せよ

 五中全会は、「収入分配関係を合理的に調整し、国民所得分配における市民の収入の比率と初期分配における労働報酬の比率を高めるよう努力する」とした。こうした点について、専門家は、中国まず内需を起動して成長方式を転換し、次の段階として収入分配制度をめぐって進展を遂げるとの見方を示す。

 アジア開発銀行駐中国代表部の上級エコノミストである庄健氏は、中国の経済成長を牽引する三頭立て馬車の1つである消費については長らく期待が寄せられているものの、経済成長に対する消費の寄与度を引き上げることが難しいのも、収入分配システムに問題があるからと指摘する。そのため、経済成長方式の転換を実現するには、収入分配システムの合理化が不可欠になる。

 全人代常務委員会は先日、遅くとも来年上半期には「収入分配制改革案」を策定するとともに、市民収入の合理的な増加と収入分配格差の縮小にとって有効な体制的仕組みを確立し、中等収入層が多数を占める分配構造を徐々に形成すべきと提唱した。

 庄健氏は、収入分配改革において、特に独占企業の高すぎる賃金の是正や国有企業の上納金の引き上げが有意義な措置であると指摘する。

 (証券時報 10月19日)