中国石油化学工業規画院の専門家からの情報によると、石油化学産業第12次５ヵ年規画の基本綱要はすでに完成しており、目下関係各方面からの批評を仰いでいる。

　「石油化学は大規模化から強大化への戦略転換を貫徹し、発展モデルを製造型産業から創造型へと転換しなければならない。そのため我々は第12次５ヵ年規画期に石油化学産業の全面的な構造調整、競争力の向上、技術の向上を核にすることを提唱した。これは最も根本的な任務になる」と前出の専門家は言う。

　また、同専門家によると、国際金融危機の衝撃は第12次５ヵ年規画期も続き、中国の製品輸出に依然として影響が及ぶ。一方、海外の大企業は中国市場に対し、以前よりも増して大きな関心を注ぐようになり、その結果、中国市場の産業競争、製品競争は第12次５ヵ年規画期において、以前に比べて一層熾烈を極めるものになる。これは、石油化学産業にとって巨大な圧力になる。こうした変化に対応するためには、構造調整こそが鍵になる。「産業全体、上流の石油製品、中流の石油化学製品、下流の各種化学新材料に到るまで、国際競争に対応するため、どのように構造調整を進めて、国内市場を賄うかが問題」である。

　まず、真っ先に解決すべきは石油化学製品の構造的不足問題である。前出の専門家は、「これまで構造的不足という言葉で思い浮かべるのは在来型製品であったが、昨年からの状況を見ると、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS、合成ゴム、ポリスチロール、グリコール等にも構造的問題が生じている」と言う。

　次に解決すべきは、原油セキュリティ問題である。同専門家によると、発展を制約している最大の問題は資源である。多面的に方法を講じ、国際化や「走出去」戦略（対外進出戦略）、資源の多元的開発等によって問題を解決する必要がある。

　加えて、石油化学産業もまた高排出産業であり、第12次５ヵ年規画期における大きな課題は、いかにして低炭素化を実現するかにある。「炭素資源の消費を出来る限り減らすだけでなく、産業内部において、省エネ・排出削減やエネルギー消費引き下げの措置を増やして、石油化学産業自身が化石資源に対する依存を解決すべきである」と専門家は説く。

　（上海証券報 10月20日）