1. HOME
  2. 中国 【エネルギー全般・政治経済】

中国
【エネルギー全般・政治経済】

中国電力投資集団社長「中国の第三世代原子力発電技術は地震など恐れるに足らず」 (11/03/14)
2011/3/14
中国【エネルギー全般・政治経済】

 全国政治協商会議委員であり、中国電力投資集団公司の総経理(社長)でもある陸啓洲氏は、今回の地震で影響を受けた日本の原子力発電所は第二世代原子力発電技術を採用しており、緊急時の原子炉停止後に予備電源によって冷却水を循環させ放熱する必要があるが、中国の第三世代原子力発電にはこうした問題がないと指摘し、緊急時でも地球の引力や重力など自然現象によって原子力発電所の安全システムを駆動させることが可能であり、中国の原子力発電所は地震を恐れないと述べた。

 陸啓洲氏のこの発言は驚くべきものであり、日本の超大型地震発生直後に原子力発電企業のリーダーが自信たっぷりにこの種の発言を行なうことは、不謹慎であるだけでなく、科学的根拠にも乏しい。実際、陸啓洲氏の発言は仮説に過ぎず、第三世代の原子力発電技術が日本のようなマグニチュード9クラスの地震を経た上での結論ではない。

 陸啓洲氏の発言に一定の道理があるにせよ、彼は突発問題後の冷却について言及しただけである。地震、特に超大型地震の発生後に原子力発電所がさらされる脅威は冷却問題だけではない。地震による破損や火災については、第三世代原子力発電所には脅威がないとでも言うのだろうか。

 日本の大地震によって原子力発電所に深刻な問題がもたらされたことを受けた中国原子力発電企業のリーダーの発言は、人々に安心感ではなく、むしろ恐怖感を与える。原子力発電企業のリーダーたるもの、外国での地震による原子力発電所の故障に対して、真摯に研究し、教訓を汲み取ることをせず、盲目的に楽観するのなら、我々は中国の原子力発電に対してどうして安心できようか。

 筆者は門外漢ではあるが、報道を見る限り、今回の日本の大地震は原子力発電事業に対して様々な教訓を残している。例えば、原子力発電所の立地は住宅区から20km以上離すべきであり、防震・耐震能力を一層強化すべきである。事前の緊急対策案も必要である。「中国の原子力発電技術は地震など恐れない」などといった幻想を抱いてはならない。こうした幻想は、国家に対しても人民に対しても無責任な態度である。日本の今回の超大型地震は我々に多くのことを考えさせてくれる。我々は大災害防止に適切に取り組み、大災害に備えてあらゆる覚悟と物的準備を備えなければならない。盲目的な自信や楽観はいかなるものであれ、有害である。

 (中国能源網 3月14日)