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【電力】

発展改革委員会、15省の電力価格を引き上げ (11/05/31)
2011/6/9
中国【電力】

 ますます激化する電力不足を緩和するため、発展改革委員会は6月1日より、山西など15の省の工業、商業、農業用電力価格を引き上げる。民生用は据え置きである。

 今回の電力価格調整は、山西の他に、青海、甘粛、江西、海南、陝西、山東、湖南、重慶、安徽、河南、湖北、四川、河北、貴州が対象になる。

 上記の15省の小売電力価格は1kWh当たり平均0.0167元引き上げられる。引き上げ幅が最も大きいのは山西省の0.024元、最も小さいのは四川省の0.004元。

 また、上記15省の系統連系電力価格は1kWhにつき平均0.02元引き上げられる。引き上げ幅が最も大きいのは山西省の0.0309元、最も小さいのは貴州省の0.0124元。安徽、湖南、江西は6月1日から、その他の12省は4月1日まで遡っての値上げになる。

 アモイ大学エネルギー経済研究センターの林伯強主任によると、今回の電力価格の引き上げは、火力発電企業の赤字を減らして、電力不足緩和に一役買うことが目的。また、エネルギー多消費産業の急すぎる発展を抑え、中国の経済構造調整の大きな方向性に適合するためでもある。

 今年に入ってから、一部地区で電力の逼迫が生じ、20余りの省で電力供給制限が実施されている。6月から電力使用のピークに入ると、電力不足は最大3,000万kW前後になると国家電力監督管理委員会は予想している。電力需要の堅調や干ばつが続けば、電力不足はさらに拡大するだろう。

 林伯強主任によると、中国の広い範囲で電力不足が生じている根本原因は、価格の仕組みの問題にある。中国は「石炭の市場化と電力の計画」を実施しているが、近年の石炭価格の上昇に政府の電力価格調整が追いつかず、石炭価格と電力価格に逆さやが生じ、電力企業の赤字が深刻化している。

 林伯強主任は、電力価格引き上げは電力逼迫の緩和には役立つものの、真の意味で解決を図るには、産業構造の合理化や石炭と電力が連動する長期有効の仕組みが必要であり、その前提として、石炭価格の急すぎる上昇は禁物であると言う。発展改革委員会は電力価格引き上げと同時に、石炭価格の監督管理を強化し、「石炭価格を必ず安定させる」としている。

 (5月31日 中国新聞網)