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【電力】

電気代値上げによってエネルギー多消費産業の抑制が可能 (11/05/31)
2011/6/9
中国【電力】

 今回の電気料金引き上げは、工業、農業、商業用が対象である、国家電網エネルギー研究院総経済師の李英氏によると、今回の値上げが農業に及ぼす影響は極めて小さい。なぜなら農業用電力が電力総使用量に占める割合は2.4%前後であり、農業用と民生用の電力は国からの助成を受けられるからである。

 工業分野への影響は業種によって異なる。「電気代の占める比重の大きい産業ほど影響は大きくなる」と李氏は言う。金属精錬、重化学工業は今回の値上げで最も大きい影響を受け、非鉄金属、鉄鋼、電解アルミ等の企業はコストが上昇する。特に電解アルミは最も大きい影響を受けることになる。鉄鋼と電解アルミはいずれも大口の電力需要家であるが、トン当たりの電気消費量ではアルミ企業が鉄鋼企業をはるかに上回っている。

 但し、国家発展改革委員会経済研究所の劉樹杰氏によると、工業全体で見た場合、電力価格の調整が工業に及ぼす影響は非常に限られたものでしかない。系統連系価格は1kWhにつき0.02元上がったが、小売価格は0.0167元上がっただけであり、平均0.5元/kWhの電力価格からすれば、値上げ幅は2%足らずである。エネルギーの大口需要家でない限り、値上げによる影響はあまり顕著ではない。しかし、大口エネルギー需要家の電力使用を抑制することは今回の値上げの目的の一つである。李英氏は今回の政策の力点はエネルギー多消費産業の抑制にあると指摘する。

 (新京報 5月31日)