1. HOME
  2. 中国 【電力】

中国
【電力】

電力網の独占体制が電力の発展を制約 (11/06/03)
2011/6/9
中国【電力】

 今回、系統連系電力価格が1kWhにつき0.02元引き上げられたが、小売電力価格は0.0167元引き上げられたに止まり、その価格差は国家電網公司が負担することになる。現在の電力使用量から見て、1kWhにつき0.01元のマージンが圧縮されると、電力網企業は300億元のコストを負担することになる。独占体制の受益者である国家電網公司の苦衷に人民は笑っているが、中投顧問のエネルギー産業研究員である任浩寧氏は、実際には現在の電力の独占体制の下では、末端ユーザー、発電企業、電力網企業、そして政府がいずれも被害者であるとの見方を示す。

 末端ユーザーにとって、電力独占体制によって頻繁に電力供給制限が生じ、住民には選択権はない。政府から発電企業への補助金を最終的に負担するのは広大な納税者である、結局、コストはやはり末端ユーザーに転嫁される。

 発電企業にとっては、政府の制定した固定的な系統連系価格のため、企業コストを電力価格の変化に反映させることが出来ず、石炭価格の大幅な高騰の下では発電企業は赤字を被らざるを得ない。

 電力網企業にとっては、その利益は小売電力価格と系統連系価格の差額に由来するが、両者の価格差は政府が制定し、企業には自主権がない。それにも関わらず世論の圧力と非難に直面する。

 政府にとっては、電力供給を維持するためには電力事業に対し巨額の補助金を提供せざるを得ない。財政負担が増えるだけでなく、体制問題に起因する電力不足問題の対応に追われる。

 (中国経済網 6月3日)