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【電力】

電力第12次5ヵ年規画では水力発電開発を優先 (11/07/05)
2011/7/7
中国【電力】

 中国電力企業聯合会の欧陽昌裕副事務局長は、電力第12次5ヵ年規画がすでに国家発展改革委員会、能源局、電力監督管理委員会等に上申され、年内にも制定されると説明した。
 電力第12次5ヵ年規画則は、「水力発電開発の優先・石炭火力発電の最適化・原子力発電の効率的発展・新エネルギー発電の積極的推進・天然ガス発電の適度な発展・現地の状況に適した分散型発電の発展」を原則とする。

 なお、電力第12次5ヵ年規画原案で原子力発電は「大いに発展させる」とされていたが、日本の放射能漏洩事故の後、「効率的に発展させる」に修正された。

 住民移転、環境保護、地質災害などの種々の問題にも関わらず、水力発電は依然として第12次5ヵ年規画の筆頭に置かれている。

 全国の水力発電資源の80%は西南地区に分布しているが、第12次5ヵ年規画期も水力発電開発の重点は西南地区に置かれる。規画案は、長江上流、烏江、南盤江、紅水河、黄河中流・下流及び北本流、湖南省西、福建・浙江・江西、東北の7つの水力発電基地開発を可及的速やかに完了するとしている。特に、金沙江、雅礱江、大渡河、瀾滄江、怒江、黄河上流の6つの水力発電基地開発に重点を置く。さらに、雅魯蔵布江などチベット流域開発を推進するとともに、国外での水力発電開発を進めて、中国への送電を図る。2015年には全国の在来型水力発電設備容量は2.84億kWに達し、2020年には全国の水力発電設備容量は3.3億kWに達する見通しである。また、2015年には揚水式発電所の計画容量は4,100万kWに達し、2020年には6,000万kWに達する。

 主力エネルギーたる火力発電については石炭・電力一体化開発戦略を継続し、山西、陝北、寧東、ジュンガル、オルドスなど大型石炭電力基地の建設を加速する。

 風力、ソーラー、原子力等の非化石エネルギーについても大規模な発展を進める。例えば、風力発電については、2015年の設備容量を1億kWとし、2020年には1.8億kWとする。 ソーラー発電は主に甘粛、青海、新疆等で集中的に開発を進め、2015年の計画容量を200万kW前後とし、2020年には2,000万kWに飛躍させる。

 天然ガス発電は、原子力発電、風力発電、水力発電の電力グリッドに対する季節的な圧力の解決を図る。ガス源地区ではガス発電ユニットの建設によって現地の電力使用問題を解決する。天然ガスの供給問題も考慮して、2015年の大型天然ガス発電機容量を3,000万kWとし、2020年には4,000万kWとする。

(中国能源網 7月5日)