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中国
【石油・天然ガス】

輸入天然ガスと国内天然ガス価格に深刻な逆さや (11/08/19)
2011/8/25
中国【石油・天然ガス】

 第2西気東輸パイプラインの稼動に伴い、中央アジアから大量の天然ガスが中国国内の各省・直轄市・自治区に送られている。国家発展改革委員会の最新統計によると、7月の天然ガス輸入は27億m3、うち中央アジア天然ガスが12億m3、LNGが15億m3であった。総輸入量は前年同期比102.4%増になった。1〜7月の輸入量は168億m3、前年同期の2倍。

 西気東輸管道公司からの情報によると、西気東輸パイプラインの輸送能力は年内に100億m3増え、さらに来年にはガス輸送力を大幅に引き上げる計画である。

 しかしながら、国内外の天然ガス価格の逆さやのため、天然ガス市場の発展は大きく制約されている。

 西気東輸管道公司の王小平総経理(社長)によると、第2西気東輸パイプラインは昨年から中央アジア天然ガスの輸送を開始した。昨年の輸送量は50億m3であった。今年、第2西気東輸パイプラインの輸送能力はさらに100億m3増えて、150億m3に達し、第1西気東輸パイプライン並みになる。

 しかるに、中国の天然ガス輸入量は年々増加しているが、これまで天然ガス消費を奨励するために国内天然ガス価格を低く抑えてきた結果、輸入天然ガスと国内天然ガス価格の間に深刻な逆さやが生じている。第2西気東輸パイプラインの現在までの赤字は少なくとも100億元に上る。

 中央天然ガス価格は原油等の価格と連動し、四半期又は半年毎に調整する。原油価格が1バレル60ドルの場合、ホルコス到着価格は1m3当たり2.15元であるが、パイプラインタリフを加えると、現在の石油価格で試算すると、1m3につき1.7元の逆さやになる。第2西気東輸パイプライン稼動以来、中国石油天然ガス集団(CNPC)は114億m3の中央アジア天然ガスを輸入し、結局100億元以上の赤字になっている。目下準備が進められている第3西気東輸パイプラインが開通すると、国内の天然ガス小売価格の市場化が一層進み、価格が上昇する公算である。

 業界関係者の見るところでは、天然ガス価格の仕組みが長期的に国外価格から逸脱する状況が続けば、天然ガス輸入企業の積極性に影響が及ぶだけでなく、市場による天然ガスの合理的な配置や有効利用にも影響が及び、最終的には中国の天然ガス産業の健全な発展にとって不利になる。

 (文匯報 8月19日)