1. HOME
  2. 中国 【電力】

中国
【電力】

特高圧送電網が転換期に 交流よりも直流推進へ (11/09/06)
2011/9/12
中国【電力】

 中国のエネルギー分布と消費地区のアンバランスのため、超高圧・特高圧送電網が求められている。中国の石炭資源の80%は西部と北部に分布し、水力の80%は西部に分布している。一方、エネルギー需要の75%は東部と中部に集中している。加えて、中国の主要エネルギー基地は負荷の中心から800〜3,000キロ離れている。エネルギーの分布と消費のアンバランスによって、長距離、大規模、大容量の送電が必要になるが、特高圧はその最良の解決方法である。

 第12次5ヵ年規画において初めて特高圧の建設が政府の工作報告に盛り込まれたが、「特高圧」の表現が従来の「送電網」から「送電」に変わった。この一字の差によって、将来の広域・大容量送電において特高圧直流が主要方式になることが示されている。同時に「三華(華北・華中・華東)」区域電力網の「3縦3横」特高圧交流フレームワークの建設も「スリム化」され、特高圧直流送電は建設規模が拡大するだろう。

 特高圧交流の建設ペースが予想を下回っているのは、技術の未熟や投資リスク等の原因による。特高圧交流は晋東南−荊門間の実験送電線が1本あるだけでフル運転はしていない。加えて、今年上半期に建設が承認されると期待されていた2本の特高圧交流送電線も推進される兆しは未だに見られない。

 一方、これとは対照的に、特高圧直流送電線2本がフル負荷で運転されており、また、国家電網と南方電網の特高圧送電線2本が着工され、来年から再来年にかけて稼動する見通しである。

 国家電網と南方電網の計画によると、今後5年間で12本の特高圧直流送電線を建設することになり、総延長22,188キロ、投資額は合計2,486億元に上る。超高圧・特高圧設備の製造と供給のピークは2012年から始まり、特高圧直流設備の好景気は4〜5年続くだろう。

 (中国能源網 9月6日)