最近発生したフランスの原子力発電所付属施設の爆発事故によって原子力の開発と利用が改めて関心の焦点になっている中、中国再生可能エネルギー学会の石定寰理事長は9月15日、2011年夏季ダボスフォーラムにおいて、日本の福島原発事故は中国の原子力の発展にも極めて大きな衝撃を与えたが、中国が原子力の開発と利用を停止することはありえず、中国はぶれることなく積極的かつ慎重に原子力発電を発展させると述べた。

　国家能源局の担当者は昨年、2020年の中国の原子力発電設備容量は控えめに見積もっても7,000〜8,000万kWに達する計画であると表明していた。中国で目下運転中の原子力発電設備は1,100万kW足らずである。日本の福島原発事故発生後、環境保護部国家核安全局、国家能源局、中国地震局や核放射安全センター等は合同で民用原子力施設検査団を組織し、4月中旬から5月上旬にかけて中国で運転中の3大原子力発電基地の安全大検査を展開した。「当初の原子力発電開発計画の速度はやや落ちる」と石定寰理事長は言う。その影響で生じる不足を補完するには、水力、風力等のクリーン・エネルギーや再生可能エネルギーを多用することが必要になり、そうなれば、一次エネルギー消費の中で占める非化石エネルギーの比率を高めるという所定の目標は達成することが可能になる。

　国の計画によると、再生可能エネルギー開発や原子力発電所建設の推進などで、一次エネルギー消費に占める非化石エネルギーの比率は、2020年には15％前後に達する。

　人口の増大や都市化の加速に伴って、エネルギー、水、鉱物も含む資源需要は大幅に拡大し、将来の発展は資源の深刻な不足によって制約される。石定寰理事長は、中国の石油対外依存度はすでに50％を超え、石炭資源も限られた時間内に開発の極限に達すると述べ、中国はすでに再生可能エネルギーをエネルギー発展の重要戦略として明確にしていると指摘した上で、こうした背景の下に、中国は原子力の開発と利用を停止することはあり得ず、ぶれることなく積極的かつ慎重に原子力発電を発展させると述べた。

　（中国能源網 9月16日）