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中国
【電力】

次第に顕著になる特高圧建設の必要性 (11/09/26)
2011/9/30
中国【電力】

 特高圧の建設は高速鉄道の建設とは異なる。高速鉄道の建設は改善型建設であり、創造的需要であるが、特高圧は必要型建設であり、相対的剛性需要である。したがって、特高圧建設の確定性と必要性は一層高くなる。

 特高圧の建設は中国のエネルギー構造調整にとって有効である。中国の主要な再生可能エネルギー生産地と電力消費地は800キロ以上離れているため、再生可能エネルギーの利用には必然的に長距離輸送の問題が付きまとう。特高圧はこのギャップを解決する有効な手段になる。

 特高圧の建設の遅れによって、電力不足は一定程度激化する。今年の電力不足は典型的な局地型である。すなわち、東北部と西北部では電力が余っているが、華東と華南では電力が不足している。現在の電力網では電力の余っているところから不足しているところへ有効に送電することが出来ないが、特高圧は比較的有効にこうしたネックを解決できる。

 第12次5ヵ年規画期における特高圧の投資計画は莫大である。第12次5ヵ年規画には特高圧の建設を政策面から有効に推進することが書き加えられる。国家電網と南方電網が発表した特高圧(超高圧)計画を見ると、第12次5ヵ年規画期における両社の特高圧及び超高圧への投資は8,000億元前後に達する。関連する設備メーカーにも利益が及ぶ。特高圧直流の機会は確定しており、交流建設も始動するだろう。特高圧直流の建設と交流の建設は相互補完的なものになる。直流建設は技術の成熟度や確定性が高く、一方、特高圧交流は系統接続能力が高い。山西東南−荊門交流実験拡充プロジェクトの完成と大規模負荷実験が予定通り進めば、交流建設の許認可も速やかに進むに違いない。今年末か来年初頭にはそうした兆しが現れるだろう。

  (証券時報網 9月26日)