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国家電網公司「第12次5ヵ年規画期にスマートグリッド建設へ1.6兆元投資」 (11/09/29)
2011/10/12
中国【電力】

 国家電網公司の舒印彪副総経理(副社長)は9月28日、メディアに対し、国家電網公司が第12次5ヵ年規画期にストロングスマートグリッドへ約1.6兆元投入するとの見通しを示した。うち送電網と配電網の建設は各50%を占める。

 舒印彪副総経理がこの情報を明らかにしたのは9月28日に北京で開催された「2011年スマートグリッド国際フォーラム」メディア会見会においてである。舒印彪副総経理は、1.6兆元の資金のうち20%が国家電網公司の自己資金であり、残りの大部分は銀行からの融資と債券発行になると表明した。

 今後5年間の目標と任務が明確に

 特高圧とスマートグリッドの発展が国家第12次5ヵ年規画に盛り込まれていることを背景に、国家電網公司はストロングスマートグリッドの発展を全面的に加速することになる。向こう5年間で2,500億ドルを投じて、中国の大型エネルギー基地と主要電力使用負荷のセンターを結ぶ「3縦3横」構造の特高圧基幹電力網の枠組みを建設する計画である。また、電気自動車充電ステーション2,950余りと充電ポスト54万本を新たに建設し、スマート電気メーター2.3億個を取り付ける。2015年には中国の国土面積の88%をカバーする国家電網が9,000万kWの風力発電と800万kWのソーラー発電の系統連系と消化を支え、80万台の電気自動車の使用に供することが出来るようにし、ストロングスマートグリッドをほぼ完成させる。

 舒印彪副総経理が記者に告げたところによると、近年世界各国がスマートグリッドの建設を積極的に進めており、中国のスマートグリッド建設も大きな成果を上げている。「米国などの先進諸国に比べると、中国は2つの特殊な国情に直面している。一つは、米国のような末端電力需要の増加が頭打ちになっている状況とは異なり、中国の電力需要は依然年間10%の速いペースで伸びていることだ。もう一つは、中国の資源と末端需要地の距離がはるか遠く、そのため送電事業の建設、とりわけ特高圧送電事業が世界の先端を歩んでいることだ」。

 「そのため、目下起草中の電力網第12次5ヵ年規画において、中国のストロングスマートグリッドへの建設投資は主に送電と配電分野に当てられ、それぞれ投資額の半分を占めている。配電網への投資のうち半分を農村電力網建設投資が占める」と、舒印彪副総経理は言う。

 国家電網公司スマートグリッド部の王益民主任は、今後農村電力網の建設が重点対策の一つになると考えている。「我々が展開している287件のスマートグリッド実験プロジェクトの中で、10件余りのプロジェクトが農村電力網に関するものだ。実験プロジェクトの建設を通して、農村電力網のスマート化改修の面で優れた経験とノウハウを見出したいと希望している」と、王益民主任は述べた。

 配電自動化建設の推進

 それと同時に、国家電網公司はスマートグリッドの配電側の改修と建設を極めて重視している。中国の中核エリアへの電力供給の信頼度を99.99%に高めるため、換言すれば、年間の平均停電時間を1時間以内にするため、国家電網公司は目下配電側において様々な実験作業を行っている。

 目下中国の23都市において配電自動化建設を展開している。その中で7つの中核エリアでは配電自動化メインステーションの建設や関連機能の建設が完了している。王益民主任は、「次の一手はあらゆる重点都市の配電自動化建設を推進することだ。この目標が実現すれば、停電時間を短縮できるだけでなく、配電網の管理能力や資産利用効率を高めることも出来る。産業発展に対する牽引作用は莫大だ」と表明する。

 王益民主任によると、配電網は送電網とは異なり、範囲が広大であり、都市の片隅にまで張り巡らされている。以前は電力価格の仕組みが不合理であったため、高度に自動化された配電網を建設することは不可能であった。しかし、現在の条件の下では、高度に自動化された配電網を建設することが出来る。「この面での次の計画は、自動センサーと開閉器、自己修復機能を配置して、配電側のスマート化のレベルを全面的に高めることだ」と、王益民主任は言う。

 その他に記者が知り得たところでは、中国電力網第12次5ヵ年規画は今年末に起草を終え、来年の第1四半期に公布される見通しである。

 (中国証券網 9月29日)