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【エネルギー全般・政治経済】

中国が分散型エネルギーのワンパッケージ政策策定へ (11/12/28)
2012/1/6
中国【エネルギー全般・政治経済】

 4省庁による《天然ガス分散型エネルギー発展指導意見》の策定を受けて、ワンパッケージの分散型エネルギー産業政策が間もなく集中的に策定されることになる。

 12月27日、「天然ガス分散型エネルギーの科学的、秩序的発展高層シンポジウム」において、国家能源局の複数の部局の関係者は、国家能源局が目下《分散型エネルギー管理弁法並びに実施細則》の起草と、《電力法》及び《分散型電源系統連系管理弁法》の改訂を進めており、分散型エネルギーの発展をサポートすることになると表明した。

 国家能源局電力司の関係者は記者のインタビューを受けた際、《分散型電源系統連系管理弁法》もしくは《分散型電源系統連系意見書》の素案がすでに完成していると表明した。電力公司大手や電力網公司等の関連企業に意見を求めており、改善した上で来年上期には公布される見込みである。

 関連政策が集中制定へ

 10月初頭に国家発展改革委員会、財政部、住宅都市農村建設部及び国家能源局が連名で公布した《天然ガス分散型エネルギー発展に関する指導意見》において、第12次5ヵ年規画期に約1,000件の天然ガス分散型エネルギープロジェクトを建設することが提唱されている。また、それぞれ典型的な特徴を備える分散型エネルギーモデルエリアを10ヵ所建設することも計画されている。今後5〜10年、分散型エネルギー設備の中核能力と製品の開発及び応用の面で実質的な打開が遂げられ、自主知財権を備える分散型エネルギー設備産業体系が基本的に形成されることになる。

 国家能源局石油ガス司石油ガス処の王晶副処長は、4省庁による意見書の通達以降、中国の天然ガス分散型エネルギー開発は興隆していると指摘した。

 国家能源局電力司の関係者はシンポジウムにおいて、分散型エネルギー発電は電力グリッドにとっては確かに新しいものであり、国家能源局はすでに分散型エネルギーの系統連系発電の流れなどの関係する問題について多くの研究を進めており、「分散型電源系統連系管理弁法」素案がすでに完成していることを明らかにした。「もともと2011年末に公布する予定であったが、まだ不備な部分もあり、公布は来年上半期になる見通し」である。

 また、国家能源局政策法規司の関係者は式辞の中で、国家能源局は、分散型エネルギーのバリアフリーでシームレスの系統連系発電を支援すると表明した。国家能源局も《電力法》改正の関連作業を進めており、小範囲の改正によって、中国の分散型エネルギーの発展をサポートする。

 省エネ・排出削減にも有効
 
 ますます拡大する省エネ・排出削減圧力とエネルギー消費のギャップは、中国の経済発展を制約する要因の一つになっている。一方、エネルギー構造の調整、再生可能エネルギーの開発や分散型エネルギーは、その有効な解決方法になる。

 国家能源局省エネ・科技装備司装備処の王書強処長は、原子力発電事業が一時停止され、石炭等の資源のエネルギー転換利用効率が低い中で、分散型エネルギーの発展は重要な意義を有するとの見方を示した。

 分散型エネルギー、とりわけ天然ガス分散型エネルギーの省エネ・排出削減に対する意義は言うまでもない。統計からも明らかなように、天然ガス分散型エネルギーの総合エネルギー利用効率は70%以上であり、在来の集中型エネルギー供給方式に比べると、天然ガス分散型エネルギーは、高い効率、クリーン、環境保護性、優れた安全性や経済収益などの長所を備えている。

 (上海証券報 12月28日)