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中国
【新エネルギー】

燃料バイオエタノールには依然政府からの支援が必要 (12/02/09)
2012/2/17
中国【新エネルギー】

 吉林燃料乙醇公司生産技術部の劉部長は次のような提言を寄せた。

 燃料エタノールはここ数年、優れた発展を続けてきたが、様々な理由で燃料エタノールへの支援政策が弱まっている。燃料エタノールは自動車排気ガス中の粒子物の排出を減らし、大気の浄化に有効である。全人代も間もなく開幕するので、国が燃料エタノールへの支援を適正に強化し、クリーン燃料の使用範囲を広げるよう建議する。

 ガソリンに10%の燃料エタノールを添加すると、一酸化炭素の排出を25〜30%、揮発性物質を約10%、二酸化炭素を約10%減らすことが出来る。中国には燃料エタノールモデル企業が5社あるが、その多くはトウモロコシ等の穀物を原料としている。これら企業は発展において次のような苦境に直面している。

 第1に、発展環境に対する圧迫が大きい。穀物価格の上昇に伴い、エタノールが人間と穀物や土地を奪い合い、食糧の安全を脅かすとする疑問の声が絶えない。国の関係部局にこれら企業の閉鎖を建議する人さえいる。しかし、実際には燃料エタノールの新規事業の停止に伴い、現有の生産能力で毎年消費するトウモロコシは全国総生産量の2%足らずでしかなく、食糧の安全を脅かすなどとは話にならない。

 第2に、生存の余地が圧縮されている。原料価格の高騰に加え、国の優遇措置が次第に減少し、そのため企業の生存の余地は圧縮されている、国の優遇政策なくして企業の生存と発展が可能かどうかは業界が直面している難題である。化石エネルギーを有効に補完する燃料エタノール産業には政府の奨励と適正な発展策が不可欠である。

 第3に、非穀物系エタノール技術の研究開発は未だボトルネックが打開されていない。燃料エタノールが制約される所以は主に食糧の安全に対する懸念であり、したがって非穀物系路線は業界の今後の発展の流れになる。しかし、非穀物系エタノールの工業化生産は世界的にも難しい課題であり、触媒剤など中核プロセスの面で未だ完全に打開が実現していない。エネルギーセキュリティ問題は世界各国が直面する難題であり、多くの諸国も燃料エタノールの発展をエネルギーセキュリティ戦略の一つとして位置付けている。国が引き続き燃料エタノール産業を支援し、研究資金の投入を拡大し、専門人材の育成を加速し、早急に技術上のネックを打開して、産業の飛躍的な発展を実現するよう希望する。

 (中国化工報 2月9日)