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中国
【原子力】

エネルギー問題が突出する中国が原子力発電を放棄することはあり得ない (12/03/11)
2012/3/11
中国【原子力】

 3月11日は福島原発事故から一周年になる。「ポストフクシマ時代」に中国の原子力発電産業の行方はどうなるのだろうか。今年の全人代と全国政治協商会議において、多くの委員は、人口が多くエネルギー問題が極めて突出している中国が原子力発電を放棄することはあり得ないと強調した。福島原発事故の後、非常に多くの諸国が原子力の放棄を表明しているにも関わらず、中国がこうした動きに追随しないのはどのような考えからであろうか。

 2009年まで中国は石炭輸出国であり、最も多かった年には8,000万トンの石炭を輸出していた。しかし、2009年以降、中国は石炭純輸入国に転じ、2011年は1.8億トンの石炭を輸入した。中国のエネルギー不足問題は依然際だっており、エネルギー不足を補う上で目下最も有効な方法は原子力発電である。経済社会発展の必要性からも、また省エネ・排出削減の要請の点からも、原子力は何物にも代えることが出来ない。このことは全人代と政治協商会議の多くの委員の共通認識になっている。

 国家能源局の銭智民委員は、羹に懲りて膾を吹くべきでないとして、次のように述べた。福島原発事故後、国務院は「国四条」と呼ばれる4つの措置を取った。原子力施設に対する全面的な安全検査の実施、建設中の原子力発電所に対する全面審査と最先進の基準を適用する安全評価、原子力安全規画の起草、原子力発電発展中長期計画の見直しと完備である。現在、原子力安全規画は国務院の審査に付され、国家能源局の原子力発電計画は最終案が確定しておらず、手続きが依然進められている。

 とはいえ、大多数の委員は中国の原子力発電の次の段階における発展には極めて楽観的である。王炳華委員によると、国の原子力発電大検査はすでに完了した。検査過程において解決していない問題がある場合、計画の中に問題解決が盛り込まれていない場合もしくは必要な緊急措置や手段が採られていない場合は、中国政府は新たな原子力発電事業の許認可を行わない。現時点で、大検査の過程において合計14の点で改善を要する問題が発見された。これらの問題の中にはすでに完全に解決されたものもあれば、目下解決中のものもある。また、3ヵ年改造計画に盛り込まれたものもある。中国政府は年内か場合によっては今年早い時期に原子力発電所事業の許認可を再開すると、王炳華委員は楽観的に表明した。

 (中国広播網 3月11日)